部下との信頼関係を強化する生き様インタビューと寄り添い
<職場の人間関係の現状と課題>
2022年にパワハラ防止法が中小企業にも適用されるようになり、部下とのプライベートな会話を過剰に避ける管理職が増え、職場の人間関係が一層、希薄になってきています。しかし、彼らは総じて部下から信頼されていません。これは、コンプライアンス研修の弊害とも言えます。
一方、部下との信頼関係が強い管理職は、趣味や関心事だけでなく、生い立ち、価値観、生き様もお互いに良く知っており、共感点が多いものです。
「部下や同僚との信頼関係を強くしたい」とお考えの人に、私は、生き様インタビューをおすすめしています。具体的には、単なるプロフィール(出身地、経歴、家族構成、趣味、資格など)だけではなく、生い立ち、辛かった時代、楽しかった時代、影響を受けた人物や言葉などを聴き出してもらいます。そして、相手の価値観とそれを形成した体験や背景を受け止めて、理解、共感、称賛し、相手の肯定感を高めるのです。また、時折、自身の価値観や体験も開示し、相互理解を深めるのです。
<生き様インタビューと寄り添いの効果とエピソード>
この生き様インタビューを習得したS課長(50代)のエピソードをご紹介します。
「S課長は、基礎学力や理解力が弱く仕事への意欲も失った部下のKさん(20代前半)の育成に悩んでいたので、早速、彼の生き様をインタビューしてみました。すると、母親が女手一つで育ててくれたが貧しさもあり勉強が苦手だったことなど、生い立ちや家庭環境を知りました。S課長の母親もシングルマザーだったので辛い気持ちに共感し、父親のような気持ちで、日々寄添うと、本音をぶつけてくれるようになりました。配属当初は、指導しても聞く耳すら持って貰えず「無理です」「できるわけないですよ」と拒んでいました。しかし、生き様を知り、寄添うようになってからは、耳が痛い指摘も真摯に受け止め、真面目に改めようと取り組んでくれるようになりました。S課長は、Kさんの変化や成長に感動し、涙が出るほど嬉しくなりました。また、諦めていた先輩たちも、S課長の本気とKさんの変化が伝わり、声を掛け手助けするようになり、不愛想だったKさんの表情も和らぎ、笑顔で受け答えするようになったそうです。
また、優秀な部下A係長(30代)も生き様インタビューで共感点が増えたことで、『S課長と一緒に最高のチームを作りたい』と同僚たちにも宣言し、今まで以上に、S課長の意を汲んで皆を巻き込んでくれるようになったそうです。」
<生き様インタビューの習得方法>
私は、生き様インタビューによる信頼関係づくりをOJTで教えています。まず、研修で手法を教え、受講者2人1組で生き様インタビューをやってもらい効果を体感してもらいます。
研修の1週間後に、部下との生き様インタビューに同席し、受講者に30分ほど実際にやってもらいます。その後、私が15分ほど追加のインタビューをやって見せます。ここで、受講者が聴きだせなかった部下の価値観と背景を引き出し、共感し、自己肯定感を高めてみせます。
さらに1~2週間後に、別な部下との生き様インタビューに同席し、同様のことを繰り返します。
<まとめ>
このように、生き様インタビューによる相互理解で信頼関係を築くことができます。しかし、それを強固なものにするには、S課長のように部下に寄り添い、苦楽をともにすることがとても大切です。
皆様も、生き様インタビューで管理職と部下の信頼関係を強化しませんか?
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部下との信頼関係性15のチェックリスト
