経営コラムColumn

組織風土診断で分かった経営課題

当社の顧客ディーラーの組織風土診断の集計結果

当社の顧客ディーラー(拠点12、社員数240名)で、組織風土診断を実施した事例を紹介します。下記は、そのアンケート集計結果です。

「5つの要素」からみた同社の問題

組織風土診断の「5つの要素」アンケート結果から、次のような特徴が抽出されました。

  1. 「共通の価値観」が全体的に低い。
  2. 「自信と信頼」が全体的に低い。
  3. 「高い欲求水準」にばらつきがある。

次にこの要素別の特徴を「12の観点」から分析していくと、次の問題が明らかになりました。

「共通の価値観」の問題と具体的な事象
・経営理念の浸透が図られていない。
特に、「顧客満足を追求する」ができていない。商談では、顧客情報の収集ができず、ニーズが掴めない。サービス入庫時の顧客説明が丁寧でない。
・一般社員が経営理念を実現しようと努力していない。
数値を追いかけるのに必死で、お客様に喜ばれようとする行動が少ない。
・人事制度が、経営理念を実現できる制度になっていない。
理念を実現する行動をしても評価されないことに加えて、サービス部門や企画部門では、どうしたら昇格できるのかが曖昧なため、評価制度への不信と不満がある。

「自信と信頼」の問題と具体的な事象
・中堅幹部と一般社員が、自社の将来に対する自信が持てていない。
業績が落ちてきたことに対する対策が明確ではなく、将来ビジョンも示せていない。
・中堅社員(店長クラス)に対する信頼が低い。
本社と企画部門の意見が強く、店長自らの意思や判断が少ない。相談しても解決されない。
・営業力が年々強化されていると感じていない。
他社と比較して、新車の販売台数や残価設定型プランの獲得率が低いままで、有効な対策が打たれていない。

「高い欲求水準」の問題と具体的な事象
・トップダウン型の組織になっているため、お互いに切磋琢磨したり、必要であれば上司に意見を述べたりする風土となっていない。
指示型指導が多く、「質問による指導」が行われていないため、自ら考えて動くことが少ない。職場改善のアイディアなども出てこない。営業スタッフは、一匹狼的な動きが多く、営業ノウハウが共有されない。

こうした問題が出てきた要因は、前任の社長が、トップダウンで業績成果を追い求めたことにありました。一時期は業績成果も出ていましたが、顧客満足度を追求せず、車を販売するときだけいい顔をする営業スタイルが横行した結果、顧客離れが進み、徐々に業績も低迷してきていました。
現任社長は、この従来型の営業やサービスのスタイルを変革すべく、様々な取り組みをしていましたが、手応えが感じられず、その原因を探るために組織風土診断を受けることにしたのです。その結果、自身の想いや施策と現場の意識や行動とのギャップの大きさに驚くとともに、本気で好ましい組織風土を築くための施策を推進していくことを決意しました。

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  2. チェック結果を元に自社の特徴と課題を特定しましょう
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導入企業の声

最近、業績が低迷し、社員にも活気がないように感じていたので、社員一人ひとりが現状をどう感じているのか、私の考えや方針を社員がどのように受け止めているのかを知る必要があると思い、組織風土診断を受けてみることにしました。

その結果、様々な課題が浮き彫りになるとともに、どこにその原因があるのかも分かりました。これから、組織風土を良くし、顧客満足度を高めることで、会社業績を回復させていきます。

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    月刊Car Business 2018年第8号
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シニアコンサルタント 設楽 教之 Noriyuki Shidara

大手経営コンサルタント会社入社後、多くの生産性改善・営業力強化コンサルティングを担当。
その後管理本部長として、総務・法務・人事、財務などを統括。
現在は、法人営業部や一般店の法人営業の取組支援のほか、管理者やエンジニアの意識改革、営業スタッフの商談力強化に取り組んでいる。

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