経営コラムColumn

車検6ヶ月前アプローチで代替見込を増やす方法①

新型車の少ない今年こそ管理客との関係を強化する絶好のチャンス

「今月は納車が立て込んで、新規来店の対応や点検入庫のお客様との接触がうまくできず、受注計画が達成できなかった」
「来店されるお客様は長期案件が多く、今決めてもらえない」
販売台数を伸ばすことができない営業スタッフは、いつもこういった売れない理由を並べます。目先の案件の刈取りだけに力を入れてしまうため、活動スケジュールをうまく組むことができません。管理客からの代替見込を全く発掘していないので、月初見込がほとんどありません。
店長も目先の目標達成を追い求めて尻を叩くだけで、管理客接触の中身が見えていないケースが多いようです。
そもそも2018年度は各メーカーとも新型車の発表が少なく、販売計画達成の苦戦が予想されますが、新規来店に頼らず、管理客との関係を強化する絶好の機会と捉え、代替見込を発掘する力を養いましょう。

管理客の層別管理から、代替ニーズ管理へ

まず営業スタッフ毎に顧客管理レベルをしっかりと確認していきましょう。よく入庫履歴から顧客をABC層に分類し、訪問件数を目標にして活動する営業方針が出ていますが、その活動の中身はいかがでしょうか。
私がご支援した店舗の営業スタッフに、管理客のうち代替の時期・車種ともに想定ができている顧客数を確認したところ、トップセールスがやはり最高で21%(650件のうち140件)、最低は4%(615件のうち25件)でした。この差が販売台数に現れることは自明の理です。また、代替え時期や車種が想定できていない管理客のうち、関係構築ができておらず、お客様の状況さえ判らないいわゆる疎遠客が店舗全体で18%にも上りました。

この結果は、顧客管理の仕組みが代替見込の発掘に有効に働いていないことを示しています。例えば、引継ぎ客の多い営業スタッフは、会えない理由を探してそのまま放置しがちですが、活動件数だけを管理してもこのような実態が見えてこず、顧客流出しているケースが多いのです。

管理客全件に対して代替ニーズが明らかになっている状態を目指しましょう。管理客との接触活動は全て、「次はいつ、どんな車種に乗りかえるか」の情報を確認することを目的にしていきます。次号では、「車検6ヶ月前アプローチ」の目的をこの代替ニーズ発掘に絞って活動し、その情報を全スタッフが共有していくことで代替見込発掘件数を向上していく取り組みを紹介します。

レッツチャレンジ

  1. 代替見込管理表でスタッフ毎の代替ニーズ把握状況を可視化しましょう。
  2. 車検6ヶ月前リスト全件に対して代替ニーズレビューを実施し、活動課題を明らかにしましょう。
  3. スタッフ全員で代替ニーズ把握状況を共有し、いいやり方(暗黙知)を形式知にしましょう。

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導入企業様の声

店長の声)
代替ニーズを全件確認することで、スタッフの課題が本当の意味で見えてきました。そのことで、指導もより具体的になり、CS向上への意識も強くなったと感じます。今では年間の代替案件管理表を作成し、1年先までの代替案件を全員で共有するようにしています。

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    月刊Car Business 2018年第6号
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シニアコンサルタント 新谷 健夫 Takeo Shintani

1985年に大手経営コンサルタント会社入社後、2000年からグループ会社を立ち上げ、買取店や残価クレジットFC店の経営に携わる。2006年からはカーリンクチェーンの本部構築とともに、直営店舗を運営する。小集団活動など、現場に入り込んでの組織開発を中心に、豊富なコンサルティング経験を保有し、自動車販売店の店長や工場長の意識革新、マネジメント能力の向上、営業スタッフの商談力強化など、実務経験を活かした実践的な指導に定評がある。

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