経営コラムColumn

車検6ヶ月前アプローチで代替見込を増やす方法②

全員参加のオープンレビューで代替見込を発掘しよう

前号では、顧客の層別管理だけでは不十分なことをお話ししました。今回は、「車検6ヶ月前アプローチ」の目的を代替ニーズ発掘に絞り、その情報を全スタッフが共有し、検討するだけで代替促進に成功した取組みをご紹介しましょう。
この店舗では、スタッフ当たり月20~40件のお客様が対象になり、「オープンレビュー」と呼ばれる全員参加のミーティングで、お客様の代替ニーズすなわち、「次はいつ、どんな車種に乗りかえるのか」を全件確認していきます。もちろん「次は車検を通すよ」と言われるお客様に対しても、乗りかえを投げかけるとともに、「次の車」を常に想定します。
このオープンレビューを推進していくと、次のような成果が出てきました。

  • ・あるミニバンの5年落ち下取相場が20万円以上高くなっている。といった情報が共有され、車検検討のお客様が早速、乗りかえとなった。その成果をもとに中古車部との連携の仕方が変わってきた。
  • ・若手スタッフが、ベテランの誘導で高齢のお客様の購入履歴を追い、家族や親戚の状況を確認して代替提案と共に紹介を依頼。本人は車検となったが、同じマンションに住む姪の車を受注できた。
  • ・併有車の情報確認から、ワイパーゴム交換だけでもアピールするようアドバイスを受けアプローチ。他社大型ミニバンで車検見積りが高いといった相談を受け、乗りかえ実現。スタッフだけでなく、整備の対応も大変気に入ってもらえた。

一方で、「6ヶ月も前に引継いだお客様だが、自宅マンションが幹線沿いで近くに駐車ができないため訪問していない」といった問題事例もたくさん出てきたのです。

「車検6ヶ月前アプローチから見えるスタッフ毎の活動課題」

この活動開始当初は、スタッフ毎に代替提案に対する意識は全く違っており、意識の高いスタッフは以下のような活動をしていることが判りました。

  • ・「今乗っている車の真のニーズ」を把握し、そのニーズが変化していることを入庫時の雑談などで把握している。
  • ・入庫時には必ず代替を意識させる会話を投げかける。自分の時間が合わない時にも、提案書を用意して渡すように手配しておく。
  • ・お客様の仕事や趣味、家族の情報を良く把握しており次の車のイメージができている。
  • ・紹介や、併有車の代替に対する発信を数多くしている。

一方で、多くのスタッフは、管理客といえども情報を把握できておらず、そもそもお客様への関心が低いと感じる事が多く見られました。その要因を分析すると、苦手なお客様など代替提案に対する心理ハードルと、忙しくて優先順位が下がるスケジュールハードルが存在することが明確になりました。
これを乗り越えさせるには、一人で抱えてしまっている問題をチームでお互いにアドバイスし合ったり、どのように時間を生み出すかを全員で協力して考える「オープンレビュー」が有効です。このオープンレビューによる改善活動が進み、自分の悩みを解決してくれると感じ出したところで、管理客に対しての接触活動も上記のような成功事例に変化していきました。

トップの皆様には、このような代替が増えないスタッフの行動、姿勢を転換させていきましょう

レッツチャレンジ

  1. オープンレビューを実施し、具体的な代替促進のアイデアを出し合いましょう。
  2. 全管理客について、いつ、どんな車種に乗りかえるかを想定できるようにしましょう。
  3. 年間の代替管理表をスタッフごとに作成し可視化しましょう。

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店長の声

なかなかできなかった、管理客の代替見込みが把握できるようになり、タイムリーに指示ができるようになりました。チームで取り組むことで、スタッフの主体性も高まってきたことに驚いています。

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    月刊Car Business 2018年第7号
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シニアコンサルタント 新谷 健夫 Takeo Shintani

1985年に大手経営コンサルタント会社入社後、2000年からグループ会社を立ち上げ、買取店や残価クレジットFC店の経営に携わる。2006年からはカーリンクチェーンの本部構築とともに、直営店舗を運営する。小集団活動など、現場に入り込んでの組織開発を中心に、豊富なコンサルティング経験を保有し、自動車販売店の店長や工場長の意識革新、マネジメント能力の向上、営業スタッフの商談力強化など、実務経験を活かした実践的な指導に定評がある。

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