経営コラムColumn

「入庫乗り換え提案」~メカニックの力を借りて見込みを作る~

業績の良い店舗の特徴

業績の良い店舗の特徴の一つに営業とサービスの連携の良さが挙げられます。最近ではサービス入庫の獲得は営業部門の仕事というのが一般的ですが、これだけでは店舗業績は良くなりません。営業スタッフがサービス入庫の対応に追われ、新車販売の目標が達成できないというケースさえあります。本当に業績の良い店舗というのは、メカニックが新車販売を強力にサポートしているという特徴があります。
「私がいくらお客様に説明しても、売込みととられるけど、うちのメカニックが『もう、そろそろですね』と言うと、お客様はすぐに買い替えるんだよね」という話しを、複数の営業スタッフから聞いたことがあります。まさにその通りで、お客様の立場になれば、車の状態を正確に診断できるだろうメカニックの言葉は、今の車に乗り続けるかどうかを大きく左右するのです。

入庫乗り換え提案とは

入庫乗り換え提案とは、メカニックがサービス入庫の際にお客様に「乗り換えの必要性」を訴求し、顕在化した段階で営業スタッフにバトンタッチをするという手法です。
仮に、営業スタッフ1人当りの既納客数が400軒で1回/年のサービス入庫があるとすれば、33~34軒/月のお客様と接触できることになります。1日で一度に対応することは不可能ですので、週末などに午前中2軒、午後4軒と計画的に予約を入れておきます。営業スタッフは、カルテを基に担当のメカニックと事前に打合せを行い、例えば、低年式で乗り換えをお奨めしたいお客様の情報を共有します。点検作業をするメカニックは、作業するだけでなく、車の状態を満遍なく観察し、車の状態をお客様に説明するタイミングで「乗り換えの必要性」を訴求するのです。車は年数を経る中で、様々な部分に不具合が生じてきます。そういう点について、メカニックがプロの視点で解説することによって、お客様が「それなら、近いうちに乗り換えた方が良いかな」と言うケースも出てくるわけです。

入庫乗り換え提案のポイント

この入庫乗り換え提案を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。

・営業部門とサービス部門の協力関係を構築すること。
・メカニックがお客様と上手にコミュニケーションが取れるよう訓練すること。
・営業スタッフがサービス入庫の来店客をしっかり確保すること。
・サービスカルテを基に、営業スタッフとメカニックが事前に打合せをすること。
・メカニックが新車の見込みを発掘した時の評価の仕組みを整えておくこと。
・強引な提案をしてお客様からのクレームが発生しないように留意させること。

メカニックが入庫乗り換え提案のスキルを持つことで、新車販売台数を大きく伸ばすことが可能になります。今まで取り組んだことが無いディーラー様では、是非、一度、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

レッツチャレンジ

  • 【入庫乗り換え提案効果性チェックリスト】
  • □新車販売台数が伸び悩んでいる
  • □一定の既納先数がある(300軒/営業スタッフ1人)
  • □既納先の代替率が低い
  • □サービス入庫からの新車販売の見込みが少ない

ご希望の方には、「入庫乗り換え提案導入チェックリスト」(20項目)を差し上げます。うまく活用して、入庫乗り換え提案の導入にお役立てください。

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導入した店長の声

以前は、新車販売については車両マネージャーと営業スタッフだけで話し合って進めていたが、目標には程遠い状態でした。
サービスマネージャーにも新車販売の責任を持たせ、入庫乗り換え提案を導入しました。3ヶ月経過した頃から、サービス入庫から見込みが上がるようになり新車販売の実績がアップしました。入庫台数も増えサービス売上も好調です。これを継続していけば、常勝店舗になれると確信しています。
(ホンダ 統括営業本部長)

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    月刊Car Business 2017年第11号
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シニアコンサルタント 瀬野 幸洋 Yukihiro Seno

1986年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)1180拠点以上を支援。営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化等のテーマに取り組む。

管理者を対象にした内観研修(M-SIP)を長年に亘って担当し、自動車販売店の店長や工場長の自己革新事例には事欠かない。

管理者やリーダー社員の仕事に取り組む姿勢を変革し、その成長に寄与することをライフワークとしている。

自動車業界の後継者育成にも数多く関与し、日刊自動車新聞社発行の「クルマ屋を継いで良かった!」の著者でもある。

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