経営コラムColumn

残価設定型プランの営業クリニックで浮き彫りになった課題④~現金払いのお客様への啓発力を強化する~

  • ※営業クリニックとは
    残クレ商談のロープレによる診断と、ワンポイントアドバイスという講義を組み合わせたプログラムです。

現金払いお客様への啓発力を強化する

前号の「営業クリニック」で、残クレ獲得以前の商談課題、お客様の話を「聴く力」の改善と、長く乗る志向のお客様に対する「早期代替の訴求」を記載しました。

次は、現金払いのお客様対策です。弊社の調査では、受注客の残クレ未利用者の購入方法は、「84%が現金」です。従って、残クレを伸ばすには、「現金払いのお客様」に「現金で支払わない方が得だ」とパラダイム転換してもらう必要があります。

現金払いのお客様は、無駄な金利や手数料が嫌い

実際、営業クリニックでは「現金で購入するより残クレで購入する方が得!」と訴求するスタッフもいますが、お客様役として「そうかな?現金の方が得だと思いますけど・・・」と反論するとスタッフは腰砕けになります。このお客様のパラダイムを転換するには、「なぜ、お客様は現金が得だと思っているのか」という本当の理由を知らなければなりません。その理由は1つだけです。

「クレジットにすると、無駄な金利や手数料が発生する」からです。

この考え方を転換していただく必要があるのです。それには、
「金利や手数料を支払っても得なんです!」と訴求することです。

「啓発力」の一つに、この現金払いのお客様のパラダイムを転換させる力があります。

金利や手数料を支払っても得だという「真の価値」の伝え方
それでは、「金利や手数料を支払っても得です」と啓発するにはどうしたらよいのでしょうか?重要なのは、お客様の考え方を否定せずに、新たな価値を上手に啓発することです。
前第7号で触れた内容を振り返ってみましょう。

 

  1.  早期に乗り換えると、技術革新による最新装備の車に乗ることができる
  2.  早期に乗り換えても、長く乗る場合と比べてわずかな費用負担増で済む
  3.  ②が事実なら、早期に乗り換えてみたいか、意思確認する

 

この最大のポイントは、②ですが、その実現には将来の下取金額が下落しないことです。そのため、残クレの真の価値である「保証」がとても重要になるのです。その上で、伝え方のポイントは以下のとおりです。

 

  1. 将来の下取金額は、たとえ相場が下落しても約束した金額で下取する
  2. 相場高騰の場合でも、高騰した相場金額で下取する(注:販社の方針によります)
  3. 下取査定の走行距離・傷の減点が始まる基準が、通常購入以上に緩やかである

真の啓発力は、カーライフの未来を想像し、ワクワクしてもらうこと

啓発力の強化には、「お客様の真のニーズ」を把握することが必要不可欠です。(第6号参照)
そして、重要なポイントは「真のニーズ」に合わせた「技術革新で進化する未来の車」やライフスタイルの変化に合わせた代替を啓発し、ワクワクしてもらうことです。そして、その実現には「残クレ」が最も適しているのです。この残クレによる保証のメリットをお客様が理解すると、更にワクワクされます。

訓練方法は、残クレの「保証」の訴求方法

この商談技術を高めるポイントは、カーライフの未来にワクワクしてもらい、その実現には、残クレの保証がいかに大事なのか上手に伝えることです。だからこそ、他の購入方法に存在しないこの残クレの価値を上手に伝えていく訓練が重要なのです。

レッツチャレンジ

  1. 店長や営業スタッフ同士で、下取保証の価値とは何か、真剣に議論する
  2. 相場が下落した場合や、相場が高騰した場合についてのそれぞれ伝え方を検討する
  3.  下取査定の傷・走行距離の免責条件について、通常購入の場合と比較しメリット・デメリットを検討・確認する
  4.  上記の内容を具体的にトークに落とし、ロープレ訓練を実施する

導入企業の声

★啓発力強化の声

  • ・残クレの魅力を改めて理解できた。この内容を伝えることができれば、お客様は確実にワクワクしてもらえるし、残クレだけでなく新車がもっと売れると思います。 トヨタAさん

 

  • ・内容を深く理解できると、商談がだんだん楽しくなってきました。更に練習して自分の言葉で話せるようにしたいです。 日産 Bさん

 

  • ・今まで残クレを獲得してきましたが、「何となく」獲得しただけでした。今回学んだことで、「絶対にどんなお客様でも獲得できる」と確信を持てました。 ホンダCさん

 

  • ・現金払いご希望のお客様でも残クレを獲得することができました。自分だけでなく他の営業スタッフにも教えてあげたいと思います。自分が伝えることで会社全体で残クレ獲得が増えると確信しました。 トヨタ Dさん

 

  • ・店長として、この対策やトークを指導できていなかったことに恥ずかしくなりましたが、自分も学びが多かったです。この内容が理解でき話すことができれば、店舗の獲得率100%も夢でありません。是非頑張っていきます。 ホンダ E店長
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    本コラムが掲載されている
    月刊Car Business 2017年第8号
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代表取締役社長 寒川 誉浩 Takahiro Samukawa

1992年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)100拠点を支援。2002年に残価クレジットFC本部支援、2006年には、委託販売のカーリンクチェーンの本部構築、数多くの研修やノウハウ開発、理念経営、CS向上支援を実践。

営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化から、経営理念の浸透支援、経営戦略策定支援まで自動車販売業に対して幅広い支援実績を持っている。

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