経営コラムColumn

新車台粗利を向上させるクロスセル手法

なぜ台粗利の改善が進まないのか

新車台粗利の改善を重点課題にしているが、なかなか思うようにいかないという声をよくお聞きします。営業スタッフの商談ロープレを実施すると、見積り作成時に、強引に様々なオプションを提案する場面を見ることがあります。お客様役が辟易した表情を浮かべていてもそのまま続けてしまいます。実商談であれば、お客様は怒って帰ってしまうのではないかと冷や冷やします。「お奨めのオプションは全数提案すること」という方針がよく打ち出されています。その結果が、このような商談になるわけですが、これでは、台粗利を向上させるどころか、受注率を落としかねません。まさに本末転倒です。

台粗利向上を実現するためには

ある販社様では、「ハイレベルクロスセル手法」を取り入れて台粗利改善を進めています。この手法に取り組むことで、従来の車両本体の台粗利に、20万円以上上乗せすることができます。
「クロスセル」とは「商品販売時に他の商品を併せて購入してもらうこと」です。大抵のお客様はフロアマットやドアバイザーを併せて買うことはあまり抵抗ありません。付帯品として認識しているからです。しかし、高額のコーティングや高機能のナビ・オーディオのようなものになると機械的に提案するだけではお客様に納得いただけません。提案しても「あまり高いものはねえ。今回はいいよ」となるのがオチです。
ところが「ハイレベルクロスセル手法」に取り組むと、高額のオプションもスムーズな提案が可能になり、結果的にトータルの台粗利が向上します。

ハイレベルクロスセル手法のポイント

台粗利の稼げない営業スタッフにありがちな新車商談では、オプションの提案が商談の後半から終盤になってしまっています。「ハイレベルクロスセル手法」のポイントは、「見積り提示前の早い段階で(オプションの)購入商品を合意する」ことにあります。つまり、商談初期の段階で、普段の車の使い方、趣味、車への要望など、様々な情報をお聞きしておき、それに応じて訴求するのです。
「子供がいるファミリー」には「お子様のためにいかがですか?」と提案するのが効果的です。「ローンのお客様」には「ローンに含めてしまえば月々数百円で済みますよ!」とコスパの良さを訴求します。「綺麗好き」であれば匂いや抗菌に関するモノを提案すると逆に喜んでいただけます。会話の中で金額的なこともお話ししておくと、見積り作成時に難しいやり取りをする必要もなくなります。
台粗利改善にお悩みであれば、是非、この「ハイレベルクロスセル手法」にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。

レッツチャレンジ

自社の営業スタッフのクロスセルスキルがどの程度かチェックしてみましょう。問題がありそう(チェックが多い)であれば、無料プレゼントの「クロスセルスキル 20のチェックリスト」を活用して対策を検討してみて下さい。

  • 【営業スタッフのクロスセルスキルチェックリスト】
  • □新車台粗利が平均よりも低い
  • □オプションの提案品数が少ない
  • □商談時にお客様情報を収集できていない
  • □お客様情報に応じたオプション商品の提案ができていない
  • □オプションの提案が見積り提示の後になっている
  • □オプションの提案の仕方が一方的で押し売りになっている

今回の無料読者プレゼント

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導入成果

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    本コラムが掲載されている
    月刊Car Business 2017年第8号
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シニアコンサルタント 瀬野 幸洋 Yukihiro Seno

1986年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)1180拠点以上を支援。営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化等のテーマに取り組む。

管理者を対象にした内観研修(M-SIP)を長年に亘って担当し、自動車販売店の店長や工場長の自己革新事例には事欠かない。

管理者やリーダー社員の仕事に取り組む姿勢を変革し、その成長に寄与することをライフワークとしている。

自動車業界の後継者育成にも数多く関与し、日刊自動車新聞社発行の「クルマ屋を継いで良かった!」の著者でもある。

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