経営コラムColumn

残価クレジットのリピート増大~3年代替を啓発し、3年後の受注も合意する~

残価クレジットで満期代替しない

経営者とお会いすると「残価クレジットを獲得できるようになってきたが、なかなか満期代替しない」と悩みを伺います。販売時を「入口」、代替時を「出口」と表現され、特に「出口」の提案力強化が課題と認識されています。
その課題は、残価クレジットで新車購入後、2~5年経過したお客様に対し、スタッフが代替提案しますが、お客様は短期間で乗りかえる気持ちが弱いので代替されないことです。この原因を探ると、代替提案時に、お客様は既に「乗り続ける」と決定されているか、検討し始めても「次の車は月々の支払いが合わない」と延期されることが多いようです。

勝負は「入口」から始まっている

更に「入口」の残価クレジットの商談で「月々安くなる」とだけ訴求していることに違和感を覚えました。この価値に共感したお客様は、月々の支払いの安さで購入できたと納得しても、3-5年の満期で車を乗りかえることに共感しておらず、「出口」で代替してもらえません。
そこで、「入口」から商談を変え、新車は短い期間で乗りかえることがお得と「早期代替の魅力」を伝えることが重要です。弊社では3年代替を推奨しています。

短期間で乗りかえる価値を伝える「啓発力」

まずは、よく陥る失敗例からです。(17年7号参照)

  1. お客様が興味を持たないまま「短い期間で乗りかえる」ことを話す
  2. 「短い期間で乗ることがお得」と伝えながら、月々の支払が安いしか訴求しない
  3. お客様から「本当は、長く乗る方が得でしょ?」と質問され、切り返せない

このように、多くのスタッフは、短期間で乗りかえる価値をお客様に納得いただいていません。早期代替の実現には、「長く乗る方がお得」から「短く乗りかえる方がお得」へとお客様の考え方を転換させる「啓発力」が重要です。「啓発力」とは、お客様の考えを否定せず、新たな価値に納得してもらう力です。

  • ①最初、お客様の「長く乗ることがお得という価値や考え方」を受け止める
  • ②一方で長く乗ると、メンテナンスの経費が増えていくことを合意する
  • ③短い期間で乗りかえると、技術革新で最新装備の車に乗ることができると伝える
  • ④短い期間で乗り換えても、長く乗る場合と比べ、少しの上乗せ費用で済むと伝える
  • ⑤④が事実なら、短い期間で乗り換えてみたいか、お客様の意思を確認する

未来のカーライフにワクワクしてもらうと、3年後も受注合意できる

重要なのは、お客様の「真のニーズ」に合わせて「技術革新で進化する未来の車に乗ることができる」ことを啓発し、ワクワクしてもらうことです。長く乗ってきたお客様は、車の進化の速さを体感していない方が多いのです。
従って、安全性を求めていれば、進化する安全性や自動運転車のメリットを、経済性であれば、改善される燃費性能を、居住性では、室内空間やシートアレンジの進化を啓発します。
更に、3年後のお客様のカーライフを提案し、ワクワクしてもらいます。その上で「長く乗る経費に、少し上乗せすれば実現できる」と納得してもらえば、現在検討している車を受注した上に、3年後の車も受注合意できるのです。(17年6号参照)

残価クレジット獲得の「入口」から見直しましょう

いかがでしょうか。残価クレジット獲得の「出口」を改善するには、その獲得の「入口」の商談から見直すことをお勧めします。見直さなければ、満期代替の難易度が高いお客様を増やすことになるからです。
次号では、今存在する「月々の支払いが安い」とだけ理解した残価クレジットのお客様をいかに早期代替に結びつけるかについて、詳しく解説したいと思います。

レッツチャレンジ

  1. 長く乗ってきたお客様をターゲット選定してみましょう
  2. コラムの訴求内容を活用してお客様と会話してみましょう。
  3. 今現在のお客様の真のニーズを確認してみましょう。
  4. 将来の車の進化や、お客様のカーライフを一緒に想像してみましょう。
  5. 短い期間で乗りかえる方法があれば、検討してみたいか確認してみましょう。

導入企業の声

A社実績

A社 社長の声
全営業スタッフに導入しました。これまで社員の取り組み姿勢に疑問を感じていました。導入して「ほぼ全員が仕事に生きがいを感じたことがない。」との事実に愕然としました。日頃、社員に感じた「暖簾に腕押し」感の源泉はここにあった!と、改めて知らされました。受講後、主体性を持って前向きに取組もうとする姿、社員の変貌ぶりに驚きました。

B社実績

B社 社長の声
・選抜メンバーで先行導入しました。早速、成果が出て、本当に驚いています。早期代替の価値提案が上手になると、長く乗るお客様、現金払いのお客様でも簡単に獲得でき、残価クレジットが面白いように獲得できています。全社の残価率も50%を目指したいです。また、管理客に対する通常の商談力も高まったので、新車台数も伸びています。この方法を全社に展開したいと思います。

  • 無料プレゼント
    本コラムが掲載されている
    月刊Car Business 2018年第5号
    ダウンロード

代表取締役社長 寒川 誉浩 Takahiro Samukawa

1992年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)100拠点を支援。2002年に残価クレジットFC本部支援、2006年には、委託販売のカーリンクチェーンの本部構築、数多くの研修やノウハウ開発、理念経営、CS向上支援を実践。

営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化から、経営理念の浸透支援、経営戦略策定支援まで自動車販売業に対して幅広い支援実績を持っている。

お問い合わせ・資料ダウンロード

コンサルティングに関するご相談などお気軽にお問い合わせください。