リーダーのOJTでスタッフに幸せを提供する
仕事を通じて幸せを感じるには、人間関係が大変重要です。お客様との良好な関係を築くとともに、自分を支援してくれる先輩や同僚達と良好な関係を築き、切磋琢磨することができれば、仕事にやりがいが出て、成長スピードも速まります。仲間に対する感謝の気持ちで帰属意識も高まり、組織全体の退職リスクが減少します。
店長が2年目サービススタッフのOJTを実践。
Aさんは対人関係が苦手で、同僚と話すことも少ないサービススタッフでした。お客様との会話も「しどろもどろ」になることが多く、上司や先輩から指摘を受けるものの改善しないため、匙を投げられていました。それでもS店長は何とか育成したいと思い、直接OJTに取り組むことにしました。
S店長はまず、「全ての点検の引き渡しができる」をテーマに、毎日夕方にロープレを実施しました。会話の内容を細かく指導しましたが、うまくできないことが多く、Aさんも意欲的でなく、声も小さいままでした。そこで指導方法を変えようと、相手のレベルに目線を落とし、日々、達成感を味わえる手の届くようなストレッチ目標として「簡単なオイル交換やタイヤ交換の引き渡しを一人で実施する」にテーマを変更しました。その結果、上手にできることが多くなり、少しずつ自信が芽生えて、声も大きくなったのです。
そのうち、S店長となんでも話せる雰囲気になるとAさんは、「今期、後輩が配属されたので、このままではいけないと焦っている」と、その悩みを聞かせてくれました。そこでS店長は、他のサービススタッフにも声をかけ、困っているAさんのために、協力して毎日訓練しようと呼びかけたのです。
OJTの協力者が増えて仲間との人間関係が向上
S店長は、次のステップとして、「比較的簡単な無料点検の引き渡しを一人でできる」とテーマを変更し、先輩4人がロープレを手伝いました。毎日の訓練のおかげで、スムースに実施できる回数が増え、先輩から及第点をもらうレベルに成長、「やりがいを感じています。一般の点検や車検も引き渡しができるようになりたいです」と店長に申し出てきました。
しかし、課題の解決はそんなに簡単ではありません。先輩や営業スタッフの同席のもと実践していくと、1年点検の引き渡しでは、お客様の質問に答えられず、立往生してしまうことが何回か続いたのです。その時、あるサービススタッフから、「自分達がお客様役だと、Aさんが説明不足でも、助け船を出してしまう。お客様と同等の知識レベルの女性スタッフに手伝ってもらうのは、いかがでしょうか」と提案があり、皆で依頼することにしました。
女性スタッフ達も、毎日必死に訓練している姿を見ていて、「自分達も何か役に立ちたい」と考えていた様子で快諾してくれました。
店長は、皆と一緒に様々なお客様に対応できるよう、商品知識や応答の仕方を必死で指導しました。すると、そんな様子を見ていた、大変忙しい営業リーダーまで、「少し時間が空いたから、ロープレ手伝うよ」と参加してくれたのです。それを見た他の営業スタッフも手伝うようになり、ついに店舗全員がAさんのOJTに関わるようになりました。
このように、店長自らがサービススタッフに寄り添いながらOJTに取り組んだ結果、店舗全員との人間関係が深まり、協力し合う風土ができたのです。Aさんも、他のスタッフが困っている時に助けに行くなど、周囲への配慮や気遣いをするようになりました。
Aさんは仲間の期待に応えようと努力を継続し、1年点検や車検の引き渡しでも、お客様のご不明点を解消しながら、丁寧に説明できるようになりました。ある時、女性のお客様から、「車に詳しくない私にも、とても丁寧に、分かり易く話をしてくれて、本当にありがとう」と、言われた時には、最高に嬉しい気持ちになりました。
こうしてAさんは、S店長や周囲への感謝の気持も強くなり、全員との信頼関係が深まり、また新たな目標に向けてチャレンジしています。お客様や上司・同僚との人間関係改善が、仕事に生きがいを感じ、幸せにつながるのです。
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