顧客接点モデルで防衛力を強化する
~盤石な収益構造の構築~本号は、2020年2月4日に開催した「新春経営シンポジウム」の講演内容の抜粋です。
サービスと新車代替受注で販管費カバー率110%
5月からトヨタが全車種併売になり、どの系列も市場縮小に向け対策を検討しています。特に、新規の新車販売が減少する予測の中、顧客接点モデルを修正し、推進する企業が増えています。様々な目標設定がありますが、ここで扱う顧客接点モデルでは、「サービス」と「新車代替受注」の合計粗利で販管費カバー率110%を目指します。
この活動の結果、新規受注に依存しない体質に転換でき、販管費カバー率は「顧客を守る、増やす」を検証する指標にできます。
それでは防衛力強化のポイントを確認していきましょう。
防衛力強化ポイント①「点・車検入庫獲得モデル」
防衛力強化の1つ目の課題は、入庫目標を高く設定することです。目標が低すぎる店舗が散見されます。
車検目標は、きちんとリストメンテナンスしている店舗は対象リストの90%前後、メンテナンス不十分な店舗でも80%前後で設定することが望ましいです。
また、点検目標は、管理客に占めるメンテパック加入率(以下、「総加入率」)に「+10~15%」上乗せします。加入者は全員入庫いただく前提で、さらに上乗せを図ります。
一方、総加入率30%未満と低い場合、リストの50%以上で目標設定しないと顧客が減少します。さらに加入者の消化率(入庫率)90%以上を目指すことで、離脱を防止できます。
そして達成に向けて推奨したいのは、当月、次月の両方の目標を追いかけます。当月入庫目標を中旬までに達成させ、次月の誘致活動を開始します。
この活動を徹底させると、当月末に次月の入庫目標を達成し、店長もスタッフも、次月入庫客への代替、バリュー、カーケア提案をじっくり準備できるのです。
防衛力強化ポイント②「車検6カ月前代替提案モデル」
上記ポイント①の結果、確実に代替提案の機会が増えます。車検6カ月前活動モデルの目的は、以下の通りです。
①車検前6カ月は、点検入庫だけでなく、代替提案の絶好機であること
②代替提案の結果、「車検」となっても、次の代替車種と時期を捉えること
しかし、店長やスタッフの目的が点検獲得になると、代替提案しない、あるいは代替提案後、車検が確定したことに満足します。当然、お客様が潜在的に想定する「次の代替車種と時期」といった肝心な情報を押さえず終了します。非常に勿体ない活動です。
また、店長が、全入庫客に対しスタッフとお客様との関係性に応じて、関係構築、情報収集、代替提案といったシナリオを事前レビュー(※)をすることで見込率を向上させます。
(※)事前レビューとは、店長・リーダーが、お客様と接する前に、スタッフの商談シナリオを確認し、最適にすること
防衛力強化ポイント③「メンテナンスパック総加入率80%」
3つ目は、メンテナンスパック(以下、「メンテパック」)の獲得です。
メンテパックの価値は、「重要な収益源」であり、「離脱防止」のサービスであります。さらに、入庫促進しやすく「代替提案の機会」となるにも関わらず、メンテパックを軽視し、低い総加入率で放置している店舗が多いです。総加入率50%未満の店舗を分析すると、新規率80%と高くても継続率60%だと総加入率48%に留まり、継続率90%と高くても新規率40%だと総加入率36%にしかなりません。
具体的なマネジメントの問題は、入庫リスト上で未加入者が鮮明になっていない、あるいは満期リストを出力していない、などです。これでは総加入率が高まりません。是非、新規率90%、継続率90%、総加入率80%以上を目指したいものです。
店長のマネジメント力、徹底力の強化
以上3つのポイントは全て連動する活動です。これらを推進するには、店長や店舗幹部のマネジメント強化が必須です。
下記に「顧客接点モデル優秀店10の視点」を用意しました。経営者の皆様は、店舗別にチェックしてみてください。再度、顧客接点モデルを整備し、防衛力強化を推進いただくことをお勧めします。また、マネジメント全体を診断するマネジメント・クリニックもございますので、気軽にお問い合わせください。