経営コラムColumn

今の時代に最適な人材革新方法~心にスイッチを入れ、革新を継続させる~

行動革新を継続させる

前号で生きがいと仕事を結びつけ「心にスイッチを入れる」について触れました。今号はその後の行動革新を継続させる方法をご紹介します。
その方法は、生きがいと仕事を結びつけ設定した「生きがいある目標」に対し、トップや上司の皆様が妥協無く、営業スタッフと一緒に追いかけることです。
20代スタッフは「今の仕事に“生きがい”が無い。与えられた目標を追っていた。生きがいの原点は全国大会出場。仕事では2倍の販売台数を目標にする」と宣言。
また30代スタッフは「仕事に生きがいが無いのはもったいない。仕事で目標を見失っていた。2年で店長を目指す」でした。
40代ベテランは「後輩に抜かれ、心が折れ、諦め、怠けました。こんな自分では、生きがいである子供の笑顔が増えない。今からリーダーを目指す」でした。
50代ベテランは、「お客様の“ありがとう”が生きがいの全て。安心して引き継げる後輩の育成を最後のご奉公にする」でした。
これらの目標達成に向け、適切な行動を継続できたか、検証していきます。

行動革新を特訓と試験で検証する

例えば、我々が営業スタッフに対し実践するのは、お客様に感動いただくレベルの商談の「特別訓練」と「商談試験」を繰り返すことです。参加者全員が「試験合格」を目指します。
そして、訓練内容や行動プロセス、試験結果から、各人が目標に到達できたか判断します。
20代のスタッフは「全国大会レベルの2倍の販売台数」を実現できる商談かどうか、30代の中堅スタッフは「2年で店長を目指す」ために、自分の練習だけでなく後輩を指導したか、40代のベテランは「諦めず、怠けずに」特訓を継続したか、大ベテランは「お客様の“ありがとう”を得ることができる後輩の育成」が実現できたかどうか。
これらを職場における日常行動と試験結果で判定します。

個人の心の弱さをチームの力で乗り越える

これまで仕事に生きがいを感じていなかった人材は、目標達成するための行動が長続きしません。途中で弱い心が顔を出し、革新していく行動をやめてしまいます。
例えば、40代のベテランは、行動特徴だった「諦め癖、怠け癖」が顔を出し、練習をサボったりします。当然、お客様を感動させるレベルの商談を修得できていませんので、試験は不合格になります。参加者全員は、生きがいを仕事に結びつける経緯を知っていますから、40代のベテランに対し、後輩でも遠慮なく「不合格になったのは、練習を諦めたり、怠けたからではありませんか?」と指摘し、更には「お子さんに、頑張る姿を見せて、笑顔を増やすのではないのですか?」と迫ります。ベテランはしばらく考え込み、「申し訳ない、その通りだ、もう一度奮起する」と改心します。そこから劇的に革新し、1か月すると「自信みなぎった表情や風格」へと見違えるようになります。
まさに、チームで指摘し合いながら弱い心を乗り越え、行動革新するのです。そのベテランも、「分かった。最後まで頑張る」ともう一度奮起するのです。

特訓と試験以外で応用は可能

この考え方は、特訓と試験以外に応用できます。マネジメントやコミュニケーションでも適用できます。店長や管理職には、職場改善のリーダーシップに応用し、弱い心をチームで乗り越える実践も行います。
トップの皆様は、生きがいと仕事を結びつけ、行動革新につなげる工夫をしていますでしょうか。

レッツチャレンジ

  1. 生きがいと仕事を結びつけた目標を大きな紙に張り出し掲示しましょう。
  2. そのための具体的な行動やプロセスに落とし込みましょう。
  3. その結果を検証する「試験」「面談」「会議」を設定しましょう。
  4. 好ましくない結果について、全員でフィードバックし合いましょう。
  5. フィードバックされた方は、素直に「生きがい」を向き合いましょう。

導入企業の声

・目指すものが定まったので、精一杯努力しました。自身としては確実にレベルアップしたと思います。練習通りのお客様がいらっしゃってびっくりしましが、大変喜んでいただきご成約いただきました。今期、2倍に修正した年間目標70台が見えてきました。(20代 営業スタッフ)

・20代のころの情熱を取り戻しました。毎日真剣勝負で活動しています。店長と2人で店舗改革に取り組んでいます。後輩の指導がこんなに面白いとは想像していませんでした。後輩たちも成長し始めてくれて毎日が楽しいです。(30代 営業スタッフ)

・子供に胸を張って「仕事に全力で頑張っている」と伝えています。ここまで5カ月連続で目標も達成できました。子供からは、いつも笑顔で「お父さん、すごいね。」を言われます。この瞬間が本当に嬉しいです。(40代 営業スタッフ)

・30年の仕事人生で一番楽しいと感じます。後輩が「営業の仕事が楽しくなりました」と言ってくれて、どんどん成長する姿を見て充実感があります。大事なお客様が笑顔を続けてもらえるように後輩の育成を頑張ります。(50代 営業スタッフ)

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代表取締役社長 寒川 誉浩 Takahiro Samukawa

1992年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)100拠点を支援。2002年に残価クレジットFC本部支援、2006年には、委託販売のカーリンクチェーンの本部構築、数多くの研修やノウハウ開発、理念経営、CS向上支援を実践。

営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化から、経営理念の浸透支援、経営戦略策定支援まで自動車販売業に対して幅広い支援実績を持っている。

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