<リーダー奮闘記>店舗マネジメント改革
~疎遠客の入庫増大~
業績低迷店舗の新任マネージャーの決意
太田がマネージャーになって半年、駅前店は業績低迷を続けていました。配属になった当初は自分が必死になって頑張れば何とかなると思っていましたが、新車販売台数はおろか車検や点検の台数も何か月も目標達成できない状態でした。
ちょうどそのタイミングでマネージャー研修に参加することになりました。前半はリーダーシップやコミュニケーションを学び、後半は組織改革の手法を学習し、実際に自分の店舗をモデルにして改革プランを作ることになりました。
改めて現状分析をしてみると、営業スタッフ1人当りの管理客は多いのに代替台数が少ないことが分りました。更にその要因を分析してみると、管理客の30%が2年以上未入庫の疎遠客で営業スタッフが接触できていないことが判明しました。全店平均22%と比較して8%多く、これを撲滅することが駅前店の業績回復に不可欠だと確信し取組みを決意しました。
活動成果が出ない日々
早速、ミーティングを実施し、営業スタッフにこの取組みについて説明しました。データを基にその重要性を解説し、予め抽出していた疎遠客のリストを個人別に渡して日々の活動計画に必ず盛り込むように指示しました。皆、納得してくれているようですが、自信は無さそうでした。太田は自分に言い聞かせるように「まずはやってみよう。毎日、頑張ってやっていればいずれ成果は出てくるはずだ」と皆を鼓舞しました。
取組みをスタートして1週間が過ぎました。日々の活動報告の中で疎遠客リストへのアプローチからの手応えはありません。営業スタッフは疎遠客を毎日の活動計画に盛り込んでいましたが、結果は不在ばかりでした。ヒアリングすると「不在だからどうしようもない」「電話しても繋がらない」と言われるばかりです。
このままでは成果が出ないと強い危機感を持った太田は、常に安定した業績を残しているベテランマネージャーの木村に相談することにしました。
ターゲットを決めてシナリオを作る
快く相談に乗ってもらい、太田は、この取組みを決めた背景や現状について木村に説明しました。すると、様々なアドバイスを受けることができました。特に重要だったのが、
①疎遠客を更に分類して、優先度の高いターゲットを決めること
②ターゲット毎にアプローチのためのシナリオやツールを準備すること
の2点でした。
このアドバイスを受けて、太田は計画を練り直しました。ターゲットについては、20代から40代までのファミリー層に絞りました。そして家族で車を使うと想定し、奥様向けのサービスやお子様に楽しんでもらえるイベント等を企画し、それを持ってアプローチするシナリオを考えました。
営業スタッフを集めて企画を説明し意見を求めると、リーダー格のスタッフが「これはいいですね。全員でお子様向けのイベントを考えてみます」と協力してくれました。
皆で意見を出し合って、「お子様の誕生月に合わせた来店プレゼント」「お菓子のつかみ取り」「スタッフが着ぐるみでお出迎え」といったアイディアを出し合いました。
そして、数日でこの企画を説明するためのチラシ類の作成を終えて、活動を再開しました。
ついに成果が出始めた~新任マネージャーの確信
ターゲットをファミリー層に絞ったことで、訪問時、ご家族と会えた際に新しいサービスやイベントの話をすると興味を持ってくれることが多くなりました。
スタッフからの毎日の活動報告を聞く中で、次々と「初めて話せた」「今度のイベントに来てくれることになった」「車の不具合について相談を受けた」等の嬉しい話が出てくるようになりました。太田はこの取組みを始めた頃とは違って、確実な手応えを感じました。
1か月後、この疎遠客へのアプローチから5台の入庫予約が実現しました。入庫を獲得した営業スタッフは朝礼で嬉しそうに発表してくれました。逆にまだ上手く動けていないスタッフもいますが、成果を出したスタッフにいろいろと教えてもらっているようです。
太田は、この活動を継続すれば、確実に業績回復に繋がると確信を持ちました。
今回の無料読者プレゼント
「疎遠客入庫増大チェックリスト」
実際に「疎遠客入庫増大」に取り組んだ経営者の声
当社では、ベテラン営業スタッフが長らく同じ店舗にいたため、管理客数が増える中で、疎遠客の数も増え続けました。世代交代で若手スタッフが増える中、どうやって疎遠客を減らせば良いかと悩んでいました。今回、トライアルで「疎遠客の入庫増大」に取り組んだところ、大きな手応えを感じました。これを全店に展開して、早期に疎遠客の減少を実現したいと思っています。 T社 社長