法人客を防衛する~一般店スタッフの奮闘~
注目される法人営業
2017年9月に、国内トップメーカーが、個人購買の頭打ちを見越し、法人営業を強化する方針を打ち出したことが報じられました。この影響などもあり、法人営業を強化したいとのご要望が多くなってきました。
その中でも、法人の新規開拓を強化することも必要だが、まずは既存客を防衛することも重要だと考えている。特に、法人営業に長けていない店長だと営業スタッフ任せになっていることが多く、会社として組織的に強化したいとの声を頂戴するようになりました。
そこで、今回は、法人客の防衛のポイントについて考えてみます。
既存客の訪問目的は「調子伺い」ではない
法人客を自社客として囲い込み、確実に代替・増車を進めるために重要なのが、顧客情報をしっかりと把握することです。しかし、多くのディーラーでは、既納客でも十分な情報が取れていないのが実態です。
営業スタッフの法人営業に同行することがありますが、多くの営業スタッフは、車両担当者に対して、「お車の調子はいかがですか?」と聴き、「特に、問題ないです」と回答を得て、情報誌やパンフレットを渡してくるだけの活動になっています。
不足している情報を収集したり、担当者との距離を縮める会話をしたりすることもあまりない。ひどい場合には社長が代わったことも知らないケースすらあります。これでは、他社から攻略されていても気づかず、いつの間にか他社に代替されていることになりかねません。
実際に、弊社でご支援している法人の新規開拓を進めるディーラーでは、次々とライバルディーラーの牙城を崩しています。例えば、飛び込み訪問先でしたが、自己アピールシートで社長と意気投合し、オイル会員になってもらいながら、次の代替の相談が始まったケース。また、他系列ディーラーが販売した20万km近い多走行のハイブリッドセダン車のバッテリーのリスクを訴求し、自社から併売車を購入いただいたケースなどです。
優秀な営業スタッフが実行していること
では、どのような活動が防衛につながるのでしょうか?優秀な営業スタッフの活動から探ってみましょう。
優秀な営業スタッフは、「車の調子」を聴くのでははく、社用車の用途や頻度、距離などに変化はないかといった「顧客の変化」を探っています。加えて、車両担当者の近況を聴いたり、共通の話題づくりなどで、担当者との関係を強化する活動をしています。
また、自社や自店舗と付き合うことのメリットも繰り返し伝えています。さらには、「昨今は安全性の高い車を採用する会社が増えています。特に、最近はドライブレコーダーを搭載することが多いですね」といった最新情報を伝えながら、次の代替車へ向けた啓発もしているのです。
こうした目的意識を持って訪問活動している優秀な営業スタッフと「調子伺い」しかしていない営業スタッフでは、その防衛率は大きな違いとなってきます。法人客の防衛のポイントは、この訪問目的を鮮明にして活動しているかどうかにかかっているのです。
レッツチャレンジ
- 法人客の防衛活動について、営業スタッフごとにチェックします。
- できていない項目について課題を整理します。
- 各課題に応じて対策・強化策を立案します。
今回の無料読者プレゼント
導入企業の声
・相手の真のニーズ・ハードルを聴こうという意識が高まりました。相手の考えについて、「なぜ」を常に考えるようになりました。しっかりとニーズやハードルをつかめるようになったので、自信を持ってご提案ができるようになりました。
・お客様があまり距離を乗らなくなったため、今回は代替を見送りたいとのご要望でした。しかし、安全性を重視しているとのことでしたので、メンテナンスコストと現有車の下取価格の差により、早期に代替してもコスト面であまり差がでないことを説明し、最新の安全装備ついて提案したところ、残価設定型プランで購入いただくことができました。
・事故があった場合にかかる様々なコストを説明し、最新の安全装備や来年から装備によって保険料が変わることをお伝えしたところ、再リースではなく、代替にしていただけました。
・当社ではない整備工場を使用しているお客様に対して、その工場の不満や不安を聴くことができました。当社のネットワークの広さやサービス内容、整備品質の高さなどを説明したところ、入庫いただけました。