身勝手な人材が、思いやりに溢れるリーダーに変革
我の強い次期リーダー候補
入社7年目の竹田さんはトップセールスで、次期リーダーと目されていたのですが、我が強く、会社の方針を素直に受け止めないことや、相手の話を聞かず早口でまくし立てるなど、課題を抱えていました。歴代の上司もその育成に手をこまねいていましたが、赴任したばかりの店長が見違えるように育成した事例をご紹介します。
育成テーマの設定
遠藤店長は着任初月に竹田さんと面談し、まず将来の目標を確認しました。「30代で店長になって、ボーナスもたくさん貰いたいです。私の信条はがめつく、貪欲に生きることです」と話す竹田さんに、遠藤店長は頷いて聴きながら、「じゃあどうなったら店長になれるかな?」と質問すると、「高成績を上げれば、なれるんじゃないですか」と答えました。遠藤店長は、それだけでは多くの人材を預かる店長にはなれないと話し、「店長を選ぶなら、周囲から尊敬される人物が良いと思わないか?まずは後輩から尊敬される人間になろう」と働きかけました。竹田さんは納得して、後輩2人に提案準備や書類準備の仕方を指導し、信頼を得ることを目標に後輩指導をスタートしました。
店長の示唆による気づき
まず遠藤店長は、後輩指導するなら早口は良くないと指摘し、早口のデメリットを話し合いました。竹田さんもデメリットが多いことは理解しましたが、その後もお客様との電話や、部下との会話で早口になることが多く、改善されませんでした。
しばらくすると、竹田さんは、「後輩が言うことを聞かず、成果がでない」と愚痴りました。普段から竹田さんを観察していた遠藤店長は、相手の話をさえぎり、早口で話している様子を伝え、「言うことを聞かないのではなく、伝わっていないのではないか。話し終えた後、きちんと理解できているか確認してみてはどうか」と示唆したのです。
竹田さんは、指導内容の理解度を確認してみました。すると全く理解できておらず、愕然としたのです。後輩からは質問もでないどころか、自分とのコミュニケーションに集中せず、早く終わって欲しいと思っている様子でした。ハッとして自分の姿勢が問題と気づいた竹田さんは反省し、その場で後輩たちに謝罪して、早口を改善することを決意しました。
素直さが成長の鍵
その後は、遠藤店長に言われた相手の要望や疑問点を聞き、それに対してゆっくり話すこと、更に分からない点がないか確認することを徹底しました。すると後輩たちは熱心に話を聞くようになり、理解度が格段に高まりました。後輩たちからの相談が増えた竹田さんは嬉しくなり、商談状況まで詳しく聞いて、アドバイスをするようになりました。
人の話しを聞かないことがあった竹田さんでしたが、素直に助言を受け入れるようになり、3ヶ月後には、ゆっくり話すことが習慣になっただけでなく、相手の表情を確認しながら良く聴き、伝え方も明らかにうまくなりました。そして、お客様との電話対応や商談内容も、聴き方、話し方が格段に変化し、お客様からも「分かり易い」と評価されるようになったのです。
後輩指導も、相手に寄り添うことで信頼関係が強くなると共に、会社方針を素直に理解し、新規保険獲得の勉強会を実施するなど、強い責任感を持って取り組むようになりました。又、ベテラン営業スタッフが長期不在になった時には、マイナスをカバーしなければと全員に協力を呼びかけ、店舗のリーダーとして主体的に行動したのです。
遠藤店長は、竹田さんの表情が明るく、柔和な雰囲気になり、店舗全体のことを考え出した成長ぶりに感動し、素直さや相互理解など人間力を高めることの重要性を改めて実感しました。
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