経営コラムColumn

マイカーリースで新しい市場を開拓する

マイカーリースは近年、若年層や女性、高級車嗜好のお客様に選ばれ、増えています。今後も成長が予想され、今こそマイカーリース販売戦略を採用すべきだと考えます。

マイカーリースの市場は成長を続ける

日本自動車工業会“乗用車市場動向調査”2021によると、新車販売市場におけるマイカーリースの構成比は現状4%程度です。
しかし、オリコオートリースやカーコンビニ倶楽部、コスモマイカーリースなどの事業者だけでなく、メーカーやインポーターも本格参入したことで認知が高まり、その市場は年々伸びることが予測されます。
日刊自動車新聞(2021.4.14、5面)に掲載された、日本能率協会総合研究所の調べでは、2025年度の市場規模は、19年度比25倍の500億円に拡大すると予測しています。
1995年当時、ディーラー経営者とお話しすると、「アメリカでは半数以上がマイカーリースだが、日本ではリースは自分の名義にならないから嫌だというお客様が大半を占めている」と伺いました。しかし、2010年頃、マイカーリースで繁盛しているサブディーラー経営者から「お客様はリースに全く抵抗感が無い」と伺い、わずか15年でお客様の価値観が劇的に変わったと痛感しました。豊かさを求めてお得に利用できるリースは、今後、ますます増えると思います。

マイカーリースを選択する理由

日本自動車工業会“乗用車市場動向調査”2021によると、車検代や自動車税など車の維持費負担が大きいと感じるユーザーは57%です。
そして、リース事業協会自動車リース委員会“個人向け自動車リース取引に関する調査報告書2018”によると、「毎月の支払額が同じ金額なので分かりやすい」「車検費用・税金を支払う必要がない」がリース選定理由の上位です。
女性など、車に詳しくないユーザーは、メンテナンスや修理に掛かる急な出費に不満を持つことがあります。一方、定額制のリースは税金やメンテナンス費用も全て含んでおり、急な出費が無いから安心だという理由で、選ばれているのです。
また、TesTee Lab.“サブスクリプションサービスに関する調査”2022 (https://lab.testee.co/subscription-2022/)によると、20代が46.4%、30代では38.7%が利用しています。
若年層を中心に一般的なサブスクリプションサービス利用が増加し、マイカーリースも車のサブスクとして、若年層需要を創造しているのです。
さらに、高級車志向の富裕層は、「ワンランク上級の車を短期でお得に乗り換えられる」と、長期ではなく、数カ月~3年の短期リースを活用するお客様が増えています。

リースによる販売強化の戦略的価値

マイカーリースでこれらの市場を開拓することが、これからのディーラーの重要戦略になります。各調査機関の新車販売台数予測は少子高齢化が進み、減少する見通しですが、弊社は、残価割賦やリース増販で代替サイクル短縮を狙うことで販売台数維持、増大を狙えると考えます。
既に新車受注に占めるマイカーリース構成比が20%を超えるディーラーが複数社出てきています。
昨年度からマイカーリースの販売強化に取り組んだあるディーラーでは、新車受注に占めるマイカーリース構成比が、当初8%程度でしたが、半年後には14%、1年後には23%まで伸び、落ち込んでいた総受注数もようやく増加に転じました。
これほど短期間でマイカーリースの受注数が伸びた背景には、市場の拡大と共に、営業スタッフのリース商品に対する理解不足を解消し、商談力を磨く訓練に取り組んだことが上げられます。
私としては、新車受注の内、従来の残価割賦で40%、さらにマイカーリースで30%を目標に獲得することをお薦めします。

マイカーリースに関する理解不足

諸費用、自動車税、点検車検代、メンテンナンス費用込みで月額定額が一般的なリース契約の特徴ですが、クローズドエンド方式で残価を保証している場合、残価にリース料と消費税がかからないことが大きなメリットになります。その結果、実際の見積もり比較では、残価割賦よりリースがお得になり、しかも残価の高い3年契約が最もお得な買い方として提案できるのです。(次のコラム「3年マイカーリースがお得」参照)
しかし、残念なことに、このことを営業スタッフが理解していません。あるディーラーの100台セールスでさえ、「目から鱗が落ちました」と驚き、早速、リース提案中心に商談をするようになりました。

ディーラーではサービス収益減少の懸念もあり、マイカーリースの取り組みは足並みがそろっていないのが現状です。一方、トヨタやホンダディーラーで、残価割賦と並行し、マイカーリースに注力する会社も出てきています。リース商品の開発や拡販に取り組み、新しい顧客層の開拓、代替受注の増加を実現してもらいたいと思います。

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シニアコンサルタント 新谷 健夫 Takeo Shintani

1985年に大手経営コンサルタント会社入社後、2000年からグループ会社を立ち上げ、買取店や残価クレジットFC店の経営に携わる。2006年からはカーリンクチェーンの本部構築とともに、直営店舗を運営する。小集団活動など、現場に入り込んでの組織開発を中心に、豊富なコンサルティング経験を保有し、自動車販売店の店長や工場長の意識革新、マネジメント能力の向上、営業スタッフの商談力強化など、実務経験を活かした実践的な指導に定評がある。

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