経営コラムColumn

点・車検の入庫こそ、受注の源泉なり~代替アプローチする管理客が広がる~

入庫したお客様と話してみよう

前々号、前号と、代替サイクル短縮に向け、お客様にも会社にも魅力のある「残クレ」について触れました。「3年代替の魅力」と「残クレの買取保証の魅力」が大事になります。営業スタッフがこの魅力を理解したら、お客様にご紹介する実践が大事になります。
弊社も、残クレのトレーニング中に、管理客に伝える宿題を出します。最適なのは、点・車検の入庫中にお待ちいただいているお客様にお時間をいただき、お話してみることです。
「〇〇様、少しお時間よろしいでしょうか?実は、お得な買い方があるのですが聞いていただけますか?・・・」と切り出します。そして「3年代替の魅力」「残クレの魅力」をお伝えすると、トップクラスの営業スタッフであれば、10人のお客様に話すと7~8人は「いいね」と言ってくれます。新車3年目、5年目のお客様にもお話しし、営業スタッフ平均では、約50%のお客様に「いいね」とご評価いただき、その中から受注につながります。

代替アプローチターゲットが広がる

通常、7年以上経過した車検6ヶ月前、3ヶ月前のお客様を中心に代替提案しますが、この取り組みは、高年式のお客様や、車検を取ったばかりのお客様にもアプローチできます。「本当は違うグレードが欲しかった」や「モデルチェンジした最新の車が気になっていた」とお客様の本音が聞き出せることも、この活動の価値です。

「いいね」をきちんと管理する

「いいね」と言ってくれたお客様すべてが、すぐに受注になるわけでありませんので、重要なことは、代替希望は「いつ」「どのような車」なのか、お客様の考えをお伺いし記録しておくことが重要です。代替を検討しはじめたお客様をきちんと管理し、希望時期の3~6ヶ月前に再アプローチすることで時期を逃さないことが大切です。

営業スタッフもお客様も喜ぶ代替アプローチ

営業スタッフから、以下のように、『入庫のお客様が「いいね」と言っていただき、受注できた』と喜びの報告をいただきました。

  • ① 車検見積で来店されたお客様。修理費用がかかるなら、中古車に買い替えたいとのご希望でしたが、残クレを提案し、ご契約。
  • ② 70歳を超えた車検のお客様。「本当は、ボディーカラーは白が良かった」を聞き、残クレを提案。仕事も後4年、手放すこともあるし、欲しいクルマに乗り替えたいとご契約。
  • ③ 過去5年サイクルで乗り換えてきたお客様。「車検代もかからず、下取も高くなるので、乗り換えしやすいです」とお話しすると、納得頂きご契約。
  • ④ 点検来店のミニバンのお客様。数年後、子供が成長すれば、ダウンサイジングも考えていたので、残クレを提案。車両の選択がしやすくなるとご契約。
  • ⑤ 転勤が多いお客様。最初は頭金を入れた5年ローンを検討。残クレを勧めると、転勤族の自分には良いプランだとご契約。

お客様は、乗り換えを考えていませんでしたが、「新しい買い方を教えてくれて、本当にありがとう」と喜びの声を頂戴します。この声が、営業スタッフの励みになるのです。皆さんも是非、実践してみてください。

レッツチャレンジ

  1.  前日に入庫されるお客様を確認し、お客様情報を確認します。
  2.  家族構成、用途、入庫状況に応じて、魅力をお伝えするシナリオを考えます。
  3.  入庫当日、「3年代替」「残クレ」の魅力を伝え、お客様の考えをお伺いします。
  4.  「いいね」と言っていただいた場合、代替希望の「時期」「車種」をお聞きします。
  5.  「いいね」と言っていただけなかった場合、「その理由」をお聞きします。
  6.  ④、⑤で得た情報を顧客カードやカルテに記録しておきます。

導入効果

T部長の声

最初は、営業スタッフのレベルの低さに驚きました。準備不足のまま、お客様に対応していると感じて、こんなレベルで本当にお客様と商談していたのか?と愕然としました。

それでも連日、練習を繰り返していくと、お客様と楽しく笑顔で会話したり、お客様の期待を超える提案ができるようになっていきました。我々が、いかに教えていなかったか反省しました。

そして、店舗に戻った時、あちこちのテーブルで「3年代替がお得」「残クレの魅力」を話しているのを聞いて、とても頼もしかったです。お客様と楽しそうな商談を聞くと、とても嬉しいですし、確実に成果につながっていると思います。

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代表取締役社長 寒川 誉浩 Takahiro Samukawa

1992年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)100拠点を支援。2002年に残価クレジットFC本部支援、2006年には、委託販売のカーリンクチェーンの本部構築、数多くの研修やノウハウ開発、理念経営、CS向上支援を実践。

営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化から、経営理念の浸透支援、経営戦略策定支援まで自動車販売業に対して幅広い支援実績を持っている。

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