経営コラムColumn

併売化に勝ち残る残価割賦(残クレ)の満期代替力
~年販100台スタッフの育成~今回は、2月4日に開催した「新春経営シンポジウム」の講演内容を一部抜粋してご紹介します。

車種の併売化時代に勝ち残る

5月からトヨタが全車種併売になります。また、どの系列も市場縮小に向け、車種を絞り込む方針です。今後の課題は、防衛力を高める、代替サイクル短縮の価値を伝える代替提案力、残価割賦(残クレ)活用の満期代替力の強化です。
弊社は、2002年から「3年代替がお得」を推奨しています。満期代替率向上の鍵は、3~5年後に到来する満期時でなく、最初の残価割賦契約時です。

★理想は「残価割賦で受注し、更に“3年後の車”も口頭受注する」
ある導入企業は、新車販売前年比130%、残価割賦の利用率40%以上となりました。優秀スタッフは、満期代替率が70~80%あります。更に19年12月に受注15台獲得したスタッフの成功要因は、残価割賦を活用した満期代替でした。

★この推進で「年販100台スタッフ」を育成できる
と自信を深めています。

年販100台スタッフの育成とは

管理客540人の1/3のお客様180人に対し、「3年代替がお得」と合意獲得できるスタッフを育成すると、理論上、以下のように年販100台が実現します。

【管理客の代替サイクルと年販台数の理論値】

スタッフ1人で年販40台増え、台粗利30万円であれば、1,200万円増収できます。加えて、良質な下取車の売却や直販、保険、割賦手数料など加味すると、増収効果は絶大です。

商談強化を妨げる「共感力」と「心」

過去、残価割賦強化に尽力してきた企業がほとんどですが、なぜ、スタッフの残価割賦率、満期代替率が向上しないのでしょうか。
まず、「共感力」に課題があります。「お客様に関心が無いので、ニーズを捉えていない」、「ニーズの捉え方が表面的で薄い、背景まで捉えていない」のです。
これでは「今、お客様が検討されている車を提案、購入いただきながら、3年後のカーライフを想定し、その際の最適な車(3年後の代替車)を提案する」ことができません。

【残価割賦の商談フローとポイント】

もう一つの課題は、「心」です。2006年当時、弊社でも従来の教育訓練では、20%の人材しか成果が出ませんでした。「3年代替がお得」は、「拒絶する心や先入観」が邪魔をします。
成果の出ない80%が「素直でない」、「挫けやすい」人材だったことから、技術偏重の研修を改め、冒頭に「人材のコップを上向きにする」「受け入れる態勢を作る」ために、心的態度を整えるように改定しました。
中でも、自身の人生を振り返り、仕事観、労働観、生きがい感を見直し、なぜお客様に残価割賦を提案するのか、お客様が本当に喜ぶために何が必要か、お客様の喜びは、自身にとってどのような価値があるのか、など深く掘り下げました。
研修冒頭で気づきを得た人材は、次々と「素直な心」が醸成され、商談技術訓練を通じて「挫けない心」を育みます。その結果、見違えるように革新し、成果も創出しました。
この共感力という「技」と素直で挫けない「心」を磨くことができれば、人材が見違えるほど成長します。

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スタッフの心の課題 15のチェックリスト

導入企業の成約事例

・コンパクトカーで新規来店。3人家族、2月に出産を控え、ミニバンを検討。競合もあり。早期代替、3年代替の魅力を伝えると、「ライフスタイルに合わせ車を乗り替えできる」と関心を示す。奥様から、「子供はたくさん欲しいし、家族の人数に合わせて対応できる」との会話で、3年代替に賛同、3年残価割賦でヴォクシー受注。「3年後ベルファイアかな、今から楽しみだ」と言われた。
Aさん

・もともと、現金購入で長期保有志向のミニバンのお客様。4年半の点検入庫で、早期代替がお得と啓発すると、実は、電気自動車、自動ブレーキ、自動運転に非常に関心があり、盛り上がる。今回は、少しだけ進化した車に乗って、3年後、電気自動車、自動運転の車に乗り替えに合意。3年残価割賦で同型ミニバン受注。
Bさん

・70歳のお客様。ワゴンで社用車、プライベートで併用。車検が近く、安全性の高い高級セダンを検討も別会社のスタッフとソリが合わず、自店に来店。「趣味の釣りで使いたいが、セダンと迷っている」。早期代替がお得と理解し、次は、安全性が高く、趣味に活用できるSUVに乗り、3年後に高級セダンを提案すると「いいね」と即決。
Cさん

・セダン7年目、車検後の6ヶ月点検にご夫婦で来店。入庫待ちで新型セダン試乗も奥様は「もったいない」と拒否。1年前に自宅購入で引っ越し、奥様が車通勤するようになった。更に、奥様が運転に不安と把握。早期代替と3年代替を伝え、安全性訴求すると、奥様も納得し受注。3年後も安全性が進化した車に乗りたいと期待いただいた。
Dさん

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代表取締役社長 寒川 誉浩 Takahiro Samukawa

1992年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)100拠点を支援。2002年に残価クレジットFC本部支援、2006年には、委託販売のカーリンクチェーンの本部構築、数多くの研修やノウハウ開発、理念経営、CS向上支援を実践。

営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化から、経営理念の浸透支援、経営戦略策定支援まで自動車販売業に対して幅広い支援実績を持っている。

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