経営コラムColumn

環境適応力に優れ、規律ある人材が育つ好ましい組織風土を醸成する。

好ましい組織風土は、環境適応力に優れている

組織風土の良し悪しは何で評価するか?顧客満足度、従業員満足度なども、その一つだが、最も重要なのは、「環境適応力」です。この適応力の差が、企業の命運を左右します。

環境適応力の弱い企業の特徴

社員全員が素直で気持ち良い挨拶ができ明るい職場でも、新たな方針に対してはできない言い訳ばかりして抵抗する人が多い企業は、組織風土が好ましくありません。
その根本要因は、大きく3つあります。

①人生観や人格面で規律ある人材を育成していない。
②自由闊達なコミュニケーションでチームワークを高める環境が整っていない。
③経営者の使命感や情熱が弱い。

環境適応力の高い組織風土を醸成する要諦

1.人生観や人格面の規律を教え、実践を要求し、評価し、養う。
①人生を充実するには、「お客様、同僚など社会や人の役に立つ仕事をする」、「仕事に生きがいを感じる」、「課題に全力で邁進する」、「常に成長する」ことが重要であるとの人生観を養う。
②主体性、ポジティブ、素直、感謝、共感、気遣い、誠実、厳格、優しさ、快活、大らかさ等の人格を養う。

2.自由闊達なコミュニケーションでチームワークを高める環境を整える。
①部下後輩の意見や指摘でも感情的にならずに傾聴し、相互に納得できるまで議論を繰返す。これを率先垂範し、奨励する。これができない上司は降格する。
②相手の成長を心から願い、耳に痛い事でも指摘し合えるように訓練し、奨励する。
③上司・先輩の指示や意見でも疑問を感じたら納得するまで議論するよう要求する。
④規律ある人材、自由闊達なコミュニケーションを実践する人材を高く評価する人事制度を構築運用する。

3.使命感や情熱のある経営者を登用する
経営者の使命感や情熱が衰えると、組織風土も悪化します。経営者自身が使命感や情熱が衰える前に、規律ある情熱的な後継経営者を育成することが重要です。

組織風土は、経営者の情熱が創造し、マネジメントシステムが維持向上する

経営理念、クレド、人事評価制度などに注力しているのに、組織風土改善の手応えが弱い企業があります。その要因は、社員との対話不足、経営陣の情熱不足にあると思います。
また、経営者の属人的能力により組織風土が現在良好でも、将来リスクがある企業があります。後継しても、良好な組織風土が維持向上するには、「マネジメントシステムの構築運用、情熱的な後継者の育成」が不可欠です。
自社を「経営者の情熱」と「マネジメントシステムの充実」の2軸で分析し、自社の組織風土改善の方向性を見直してみてください。

達成率や成長率が高くても注意が必要

体育会系人材を集めた業績追求偏重型組織では、最近、話題になった某大学アメフト部のように、ストレスで疲弊している場合があります。最初は、業績追求に達成感があったが、次第に、仕事への生きがいを見失い、鬱傾向になり、退職してしまうことがあります。
このような企業は、経営者自身が業績偏重を改め、「社会的使命、社員の生きがい感向上など」への情熱に目覚めることが大切です。また、同時に、「規律ある人材の育成」、「自由闊達なコミュニケーションでチームワークを高める環境整備」にも注力いただきたいと思います。

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代表取締役会長 沖 晋 Susumu Oki

1960年北海道生まれの九州育ち。1985年上智大学卒業後、大手経営コンサルタント会社入社。
業種業界問わず、戦略策定支援、人材育成支援等、多岐に亘るテーマで300社以上の企業に対してトップコンサルタントとしての指導実績を持つ。
営業力、商品力双方の強化による業績改善を得意とする。

また、実業進出後は、理念経営による人材育成、組織開発を重視するようになった。理念、戦略、商品力、現場まで首尾一貫した組織づくりによる企業再建も経験豊富。

2004年から車買取販売カーリンク本部の代表者となり実業にも進出。2019年現在100店舗展開中のカービジネス研究所取締役会長も兼務する。

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