人材の法則を変える心技磨き
人材の法則(2:6:2)を(5:5:0)にアップする
組織は、人材を優劣で分類すると、上位2割、中位6割、下位2割になると言われます。 しかし、(2:6:2)を(5:5:0)にアップできると考えています。具体的には、上位と他の根本的な違いを分析し、その中から学習可能な要素を抽出し、それを徹底的に訓練するのです。
<優秀な人材に共通する3つの価値観>
- 仕事に生きがいを感じる。
- 向上心と謙虚さがある。自分の課題を直視し、全力で邁進する。
- 身勝手を戒め、周囲に気遣いができる。また、仲間の成長に支援を惜しまない。
これらは、人格そのものです。私たちは、この点に着目し、人格形成の教育プログラムを開発し、10年で1,000人超の教育を実施しました。残念ながら、成長できない人も5%前後いましたが、ほかは全員、見違えるように成長し、高い評価を頂戴しています。意欲的な人材が飛躍的成長を遂げるのは当然ですが、やる気を失っていた人材や、60才の人材も大きく成長するのには、私自身も当初、驚きました。
身勝手が人材の成長を阻害する
- お客様にできない約束をしてまで受注する。その結果、トラブルになって、お客様や周囲にも迷惑をかける。これは、あきらかに身勝手。
- 会社の利益貢献に関心が薄く、自分がお客様に良い顔をしたいために安易に値引きする。価格以外でお客様に喜んでもらうために、気遣いや最高の提案こそが、自分の仕事だとの考え方が欠如していることが根本要因だが、これも身勝手。
- 昔、上司から評価されないことがあり、意欲を失い、協調性を失った。その後、部門が異動しても、ひねくれて、協調性に欠ける行動をとり続け、職場で浮いた存在になっている。昔の上司にも問題はあるかもしれないが、異動後も、大人げなく、いつまでも、ひねくれ続ける本人も身勝手。
他にも、できない言い訳を繰り返す。責任を転嫁する。困難があれば現実逃避する。お客様、周囲、家族などへの気遣いができない。約束を守らない。等々、これらの身勝手は、本人の心を鍛えることが最も重要です。言い換えれば、身勝手を戒め、周囲に気遣いができ、お客様の喜びや仲間の成長に惜しみなく支援できる人だけが、上位の人材になれるのです。
最低の身勝手「甘ったれ」を放置すると組織力が弱体化する
営業スタッフの場合、新たに難度の高い商談手法を学び、ロープレ訓練をします。トークを覚える。お客様の話に耳を傾ける。お客様の質問に適切に回答する。自信をもって魅力的な提案をする。など越えなければならないハードルがあります。
人により習得に必要な練習回数が異なります。2~3回で習得できる人もいれば、何十回も必要な人もいます。仮に10回の練習で、10人中、6人が習得できた場合、残り4人のうち、2人はできるまで練習を続けます。しかし、残る2人は、「いくら練習しても、私には無理です。勘弁してください。」と音を上げることがあります。
この人は、過去、何度も現実逃避してきているはずです。この甘ったれを許していては、人間として今後も成長できません。彼の将来の人生をよりよくするためにも、彼が習得できるまで、周囲が練習につきあい、厳しく指導することが、大切です。
人材が育たない職場は、この甘ったれを安易に許してしまう風土があります。従って、「できるまで全力を尽くす」意識を養い、懸命に頑張る人には、周囲もとことんつきあい、指摘や助言を繰り返す組織風土を醸成することが重要です。これは、くじけない心を養うだけでなく、周囲の中位人材を上位人材に育てることにもつながります。その結果、日常の指導において、技や知恵の不足を補うだけでなく、心の迷いや軸ぶれも見抜き、人格面の教育もできる幹部を育成できます。
レッツチャレンジ
- 身勝手社員チェックシートの対象者氏名欄に、社員名を記入します。
- 20項目のチェック項目に沿って、社員ごとに現状や行動を思い出しチェックします。
- 1人ずつチェックが付いた項目について起きている事象や特徴を整理します。
- 1人ずつ「なぜそのような身勝手に振る舞うのか」原因について仮説を立てます。
- 個別面談で、身勝手に振る舞う理由や背景を確認しながら、改善提案を行います。
今回の無料読者プレゼント
導入効果
F社長の声
「ほぼ全員が仕事に生きがいを感じたことがない。」との事実に愕然と致しました。日頃から社員に感じている「暖簾に腕押し」感の源泉はここにあった!と、情けない話ですが改めて知らされた思いがしました。
しかし、受講後、主体性を持って前向きに取組もうとする姿、残価設定に対する考え方など、社員の変貌ぶりに驚きました。40代、50代のベテランも長年に渡り染付いた物を変えていく難しさがあったと思いますが、今までとは全く違う彼らを目にし、驚きを隠せませんでした。このように変えて頂いた研修及び講師の皆様に感謝申し上げます。