経営コラムColumn

月報でオンライン店長会議を革新する~店長マネジメントの飛躍的改善法~

ウィズコロナ時代のスタンダード~オンライン会議

コロナウィルスと共に生きる時代になり、マネジメントのあり方は、今までの常識を超えた発想が求められます。ここにきて、一斉に広がったのがテレワークです。感染拡大を防ぐために、人の移動や集まりを回避する必要があったからですが、仮にウィルスが無くなっても、むしろテレワークの方が効率が良いと、多くの企業がその継続を考えています。
テレワークを可能にしたのが、Zoomなどに代表されるオンライン会議システムです。社内での会議だけではなく、商談、教育、更には飲み会など、広範囲に活用されるようになり、特にオンライン会議は多くの企業で導入されました。実際に体験してみると簡単で使いやすく、オフィスに集まらなくても、効率よく意思疎通や意見交換ができ、その価値が認識されました。今後は、オンライン会議を活用できるかどうかが、企業の生産性を左右することになるでしょう。

オンライン会議を効果的に行うための4つのポイント

① 参加者が所在地でPC操作ができ、ネットワーク環境にあること。
② 参加者の所在地にワーキングスペース(デスク等)があり、会議参加しやすいこと。
③ 発言者がパワーポイント等で資料を作成し、オンライン上で共有、説明できること。
④ 進行役の準備、ファシリテートスキルが高く、スムーズに運営できること。
これらのことが上手くできずに、活用できないケースもあるようです。①②は、費用をかけて環境を整えることができますが、③④については簡単ではありません。
従来型の会議でも、この点は課題になりますが、特にオンライン会議では同じ場所で直接やり取りできない分、事前準備が重要です。共有すべき資料は、事前に電子ファイルでメール共有することが必要ですし、進行役はきめ細かく準備し、上手にファシリテートすることが求められます。(④の進行、準備、ファシリテートについては、別の機会に解説します)

月報(月次報告書)により品質の高いオンライン店長会議が実現する

G社では、店長会議の生産性を上げるために、月報マネジメントを導入していました。導入前の店長会議は、社長以下経営陣が順番に業績進捗データの資料を確認しながら、その場で気付いたことを話していくスタイルでした。一方的で思いつきの発言が多く、参加者からは不評でした。そこで、店長会議の主要発言者となる経営陣や企画責任者は、前月の経営データを分析し、現状の課題や徹底したい方針等について月報を作成して説明することにしました。当初は月報作成に手間取っていましたが、数か月で習熟し内容もわかり易くなりました。参加者からは、課題や方針がわかり易く、店舗に戻って店員に指示・指導がしやすいと評価が高まりました。
そんな中、コロナ禍となったので店長が集まっての会議を自粛し、5月からZoomを活用したオンライン店長会議を行うことにしました。月報を活用した会議手順は標準化されていましたので、それをオンラインに置き換えて準備しました。当日は、発表者が資料共有機能を活用してオンラインで月報を説明し、質疑や意見交換も行われました。初めてのオンライン店長会議は、想定以上にスムーズに運営できました。
従来の会議では店長は本社に集まっていたので、移動時間が大幅に削減できました。月報とオンライン会議システムのおかげで、方針の展開や情報の共有も効率的に行われ、以前よりも会議の生産性が高まったと好評です。
月報とオンライン会議の組合せは極めて有効です。是非、この機会に導入を検討されてはいかがでしょうか。

レッツチャレンジ

① 自社で月報とオンライン店長会議が導入できそうかどうか「月報・オンライン店長会議チェックリスト」に基づき、チェックしてみましょう。
② 問題点が多ければ、会社の主要メンバーを集め、チェックリストに基づき、問題を共有しましょう。
③ 自社で月報とオンライン店長会議を導入するプロジェクトを発足しましょう。
④ プロジェクトでオンライン店長会議開催に向けた行動計画を策定し推進しましょう。

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実際に月報マネジメントを導入しオンライン店長会議を実現した経営者の声

店長会議と言えば社長や本部長が言いたいことを言って、成績の悪い店長を叱責する昔ながらのスタイルでした。これでは駄目だと思いながら変えられませんでした。しかし、昨年、月報マネジメントを導入し、店長会議の運営がガラッと変わり手応えを感じていました。そんな中、コロナ禍となり店長会議も2ヶ月中断しました。5月から思い切ってオンライン店長会議を実施しました。月報マネジメントを導入していたので想像以上に効果的に運営できました。今後は、多くの会議をオンライン化したいと思っています。(G社 社長)

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    本コラムが掲載されている
    月刊Car Business
    2020年第7号
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シニアコンサルタント 瀬野 幸洋 Yukihiro Seno

1986年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)1180拠点以上を支援。営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化等のテーマに取り組む。

管理者を対象にした内観研修(M-SIP)を長年に亘って担当し、自動車販売店の店長や工場長の自己革新事例には事欠かない。

管理者やリーダー社員の仕事に取り組む姿勢を変革し、その成長に寄与することをライフワークとしている。

自動車業界の後継者育成にも数多く関与し、日刊自動車新聞社発行の「クルマ屋を継いで良かった!」の著者でもある。

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