経営コラムColumn

残価クレジット獲得率の急落原因を究明する ~スランプ脱出には、啓発を諦めないこと~

なぜ残価クレジットが取れなくなったのか?

この3年半で残価クレジット(以降、残クレ)の研修受講者数は、860人を超えました。その受講者で、受注に対する残価クレジット獲得率(以降、残価獲得率)が半期80%を獲得できたスタッフが急に50%台に落ちたり、残価獲得率70%から40%台に急落したと報告がありました。原因が分からないと困惑していましたので、急遽、対策会議を開きました。

過去3カ月間で残クレ未獲得のお客様を分析

 そのスタッフに、直近3ヶ月で、受注獲得できたものの、残クレにならなかったお客様を分析してもらいました。以下、その理由です。

 

  1. 高齢者のため、残クレを提案しなかった。
  2. お客様から「今回の下取車が高額だった。次も同じ車種だから、将来も高額だよね。だから残クレは不要だ」と断られた。
  3. 受注を即決し、残クレで支払う予定だったが、後日、家族に反対された。

高齢者のため、残クレを提案しなかった

上記①の理由を聞いていた、あるスタッフから「高齢者こそ、残クレを活用して欲しいお客様です」と発言がありました。

そのスタッフ曰く、「高齢者である年金受給者が、乗りかえに『現金払い』するには貯金が必要で、相当な負担になります。また、過去には70歳以上はクレジットを活用できなかった歴史もあり、今も活用できないと誤解していることが多い。だから『乗り続ける選択』をします。逆に、高齢者こそ、安全性の高い車に乗って欲しいお客様ですので、まずは『クレジットを活用できます』とご案内し、『残クレの価値』を提案したいです。」

確認していくと、残クレ獲得できなかった理由は、スタッフもお客様も「70歳以上はクレジットを活用できない」と誤解していたことが判明しました。

今回、下取が高額だったので、将来も高額。だから残クレは不要

次は、上記②に対する切り返しです。

確認すると、管理客に対し、人気の高い車種から同じ車種への乗りかえ提案を行い、人気の下取車のため、高額の査定金額を提示したようです。そして、乗りかえを検討し始めたところで、先のお客様の発言があり、残クレを提案せず、引き下がってしまったようです。

そもそも、今下取で人気の高い車は、将来も人気の高さが持続し下取は高額になるのでしょうか。逆に、最近の車の進化が速いので、進化すればするほど、前型の相場が落ちると、危険性を訴求した方が良いと思います。その上で、残クレの「保証が必要」と伝えます。

受注を即決し、残クレで支払う予定だったが、後日、家族に反対された

 最後に、③です。ここでも大事なことは、スタッフが諦めないことです。あるいは、受注が確定した際に慢心があったのかもしれません。最後まで気を引き締めて、商談相手のお客様に対し、「残クレに対して、家族の反対の可能性」と「お客様ご自身は、家族に反対されても押し切ることができるか」を確認する必要があります。
「反対されたら押し切れない」と言われたお客様の場合、「直接、反対者と話す場」を設定してもらうよう依頼し、お客様と共に反対される家族と面談することが必要です。

いかがでしょうか。いずれのケースもスタッフ側が「お客様にとって、残クレは良い商品なので、断られても絶対あきらめないこと」が重要です。それであれば残価獲得率は80%~90%まで高めることができると考えています。

レッツチャレンジ

  1. 受注客で残クレ未獲得のお客様の要因を分析しましょう。
  2. 苦手なお客様のパターンを分析してみましょう。
  3. 同僚スタッフで、その苦手なお客様から残クレ獲得できていないか確認してみましょう。
  4. 本当にその苦手なお客様は、残クレ獲得できないか考えてみましょう。

導入企業の声

研修受講後1年6カ月間、全社を牽引してくれていた優秀なスタッフの残価率が急落した時は、本当に心配になりました。早速、定期診断してくれて、商談の軸ぶれを直した直後から復活してくれました。やはり、優秀者と言えども、商談時間を短くしようと焦り、大事なキーワードを省いてしまっていたのだ、と実感しました。今後は、私からも、商談時間短縮や効率を求めすぎないようにしたいと思います。

統括営業本部長

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代表取締役社長 寒川 誉浩 Takahiro Samukawa

1992年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)100拠点を支援。2002年に残価クレジットFC本部支援、2006年には、委託販売のカーリンクチェーンの本部構築、数多くの研修やノウハウ開発、理念経営、CS向上支援を実践。

営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化から、経営理念の浸透支援、経営戦略策定支援まで自動車販売業に対して幅広い支援実績を持っている。

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