経営コラムColumn

若年次営業スタッフの指導心得

新入社員が入る季節が近づいてきました。若年次スタッフの教育には苦労されている企業様が多いようです。そこで、過去に実際に指導した若年次スタッフの事例を基にタイプ別の指導心得を整理したいと思います。

人と会話ができないAさん

Aさんは大卒で見た目も爽やかで優秀そうに見えました。新人でも相当売れているのではと思いましたが、ロープレの相手をしてみると全く会話が成り立ちません。質問には丁寧に答えてくれるのですが、会話が続かないのです。人に関心が薄く、何を質問して良いか解らない。こちらに恐々と接しているので、全く会話が成り立たず、当然、商談も上手くいきません。
こういうタイプは、商品説明や応酬トークを覚えさせる前に、会話そのものの訓練が必要です。言葉遣いはもちろん、質問の仕方、相槌の打ち方などを徹底的に訓練します。
会話を続けるためには、話題を提供する必要があります。その為の知識習得や情報収集も課題にします。兎に角、人とスムーズに会話ができるまで我慢強く訓練する必要があります。

感受性が無く人を不快にしてしまうBさん

Bさんは、普段楽しく会話ができるスタッフでしたが、ロープレの相手をしてみると何か不快な感じを受けてしまいます。「お客様から情報収集をしましょう」という課題を提示すると、ひたすら質問をし続けてお客様を怒らせてしまいます。普段の商談でも、お客様のニーズを無視してこちらの提案したいことを一方的に話し続けて、やはりクレームになったことがあったようです。
こういうタイプは、初期対応のコミュニケーションをひたすら繰り返し訓練をします。お客様に安心感を与える接し方、表情や態度、目線、声の出し方等。チェックリストに基づき、一つ一つのスキルを理解させ、教育訓練をする必要があります。

他責傾向の強いCさん

若年次スタッフの中には、コミュニケーション技術以前に、マインド面で大きな課題を持つタイプも多く存在します。Cさんもそういうタイプでした。
「先輩がきちんと引き継いでくれなかったので未だにお客様と関係が悪い」「若手だからと雑用ばかり押し付けられるので営業活動ができない」等の言い訳ばかりが先行して行動に移さないタイプです。同様の環境で頑張っているスタッフもいるのですが、Cさんはひたすら他責にする発言を繰り返していました。
このタイプには「仕事の捉え方を変えなさい。できない言い訳をするのでなく、どうすれば仕事を遂行できるか考えましょう。今のあなたの姿勢ではどの仕事も通用しません。」と叱責して、他責の姿勢を改める必要があります。
最近の若者は大人に真面目に叱られる経験が多くありません。このような姿勢では、どんな仕事も行き詰まります。それを自覚させる為に、怒るのでは無く叱る。そういう厳しい姿勢も必要だと思います。

レッツチャレンジ

  1. 自社の若年次スタッフの現状を把握する。
  2. 若年次スタッフの課題についてマネージャーや店長と意見交換する。
  3. 若年次スタッフがどういうタイプになるのかを検討する
  4. タイプ別の指導心得に基づいて指導を行う。

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指導成果事例

  1. 人と会話ができなかったAさん。人と会話することを課題にして、日頃から社内外の人に接するようにしました。奥さんにもロープレに付き合ってもらい、話題を豊富にするために新聞を購読し、毎日30分目を通しました。その結果、自信を持って接客できるようになり、販売台数も向上しました。
  2. 感受性が無く人を不快にしていたBさん。初期対応のコミュニケーション技術を細かく教育し、その必要性を理解させました。毎日、先輩に付き合ってもらって初期対応のロープレ訓練を徹底しました。その結果、初期対応が格段にレベルアップし、お客様に好印象を持ってもらえるようになりました。
  3. 他責にする傾向の強かったCさん。同僚、上司を交えたグループ内観(本人の問題だけを考える意見交換)を行い、現在の自分の姿勢の悪さを自覚させ、改善に向けて自己革新テーマを設定し取り組みました。その結果、社内での働きぶりや会議での発言も見違えるように変わり、組織に好ましい影響を与えています。
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    月刊Car Business 2018年第2号
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シニアコンサルタント 瀬野 幸洋 Yukihiro Seno

1986年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)1180拠点以上を支援。営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化等のテーマに取り組む。

管理者を対象にした内観研修(M-SIP)を長年に亘って担当し、自動車販売店の店長や工場長の自己革新事例には事欠かない。

管理者やリーダー社員の仕事に取り組む姿勢を変革し、その成長に寄与することをライフワークとしている。

自動車業界の後継者育成にも数多く関与し、日刊自動車新聞社発行の「クルマ屋を継いで良かった!」の著者でもある。

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