経営コラムColumn

モチベーションの転換期~生きがいに仕事を結びつけ、心にスイッチを入れる~

人材をやる気にさせるために、どうしたら良いのかわからない

最近、経営者の皆様とお会いしますと「人材をやる気にさせるために、どうしたら良いのかわからない」と伺います。成長期は、新車増大によるインセンティブで収入が増えたり、店舗拡大に伴い店長や課長のポストも増えたので、目指すものが沢山ありました。現在は、メーカーや販売店の努力もあり「我武者羅に頑張らなくても新車は売れる」時代となり、目指すものが見出せず、日々漠然と過ごす人材が増えているように感じます。

生きがいと仕事を結びつける内観手法

このような環境下でも、モチベーションを一気に高め、行動革新へ導く方法があります。偉人や努力する人の数多くの生き様や考え、発言から本質を学び、自分と比較することです。

  • 「幸せな人生」
  • ・人は誰でも幸せになりたいし、生きがいを持ちたい。生きがいは何でも良いが、時間的・経済的に大きな位置を占める「仕事にも」生きがいを持ちたい。幸せは、「生きがい感のある目的・目標に向かって全力で邁進すること」で生まれる。

全ての人に漠然とした生きがいがあります。「家族の笑顔を見ること」「お客様からのありがとう」「周囲からの賞賛や評価」と十人十色です。その漠然とした生きがいを掘り下げ、狭かった価値観を広げるために次々と質問しますと、本人自ら気づきが進み、生きがいが仕事に結びつく瞬間があります。この指導方法を内観手法と呼んでいます。

仕事に生きがい感ある目標を持った瞬間に人は変わる

ある20代の営業スタッフは、学生スポーツで全国大会を目指し全力で練習した時代こそ、最も生きがいある瞬間だったと振り返りました。なぜ今その感覚が無いのか?「今の仕事に“生きがいある目標”が無い。会社から与えられた数値を追っていた。仕事で全国大会出場レベルは、今の倍の販売台数です。そこを目標にします!」と宣言し、その瞬間から目の輝きが変わりました。
また30代後半の中堅スタッフは、「今は生きがいを感じず、マンネリ感しかない」と吐露し、「環境要因への他責」を繰り返しましたが、冷静になって自身を見つめなおすと、生き生きとしていた20代の上昇志向を思い出しました。「仕事に生きがいが無いのはもったいと感じました。仕事上で目指すものを見失っていたんですね。2年で店長を目指します。」と宣言すると顔つきが引き締まりました。
「子供の笑顔」」が生きがいの40代のベテランは、直属の後輩に業績と職位で抜かされた瞬間に「心が折れ、諦めました。その時から怠け出しました。でも、こんな自分では、子供の笑顔が増えないし、顔向けできない。何とか克服し今からリーダーを目指したい。」と決意し、全力で行動するように革新しました。
50代の大ベテランは、「お客様の“ありがとう”が生きがいの全て。もうすぐ定年だし頑張らないで良いと思っていたが、今の後輩のレベルでは心配で大事なお客様を引き継げない。後輩の育成を最後のご奉公にします。」と嬉々として後輩を指導し始めました。

まだまだ人材育成の第一歩

この考え方は、仕事に全力で邁進する人材へと導く第一歩ですが、まだ心にスイッチが入っただけです。革新した行動が日々継続できることが次のステップです。トップの皆様は、この生きがいと仕事を結びつける人材とのコミュニケーションを増やす工夫をしていますでしょうか。

レッツチャレンジ

  1. 偉人・先人・努力する人の人生を体感してみましょう。
  2. そこから、幸せな人生とは、生きがいとは、についてスタッフと討議してみましょう。
  3. 「スタッフの生きがいとは何か?」を1人1人掘り下げてみましょう。
  4. その生きがいと仕事が結びつくか一緒に考えてみましょう。

導入企業の声

・本当に受講して良かったです。今まで打ち込むものが見えず悶々としていました。仕事はお金を稼ぐ手段としか考えていなかったので、仕事と生きがいが結びつくなんて全く想像していませんでした。それでも、目指すものが定まったので精一杯努力します。(20代 営業スタッフ)

・仕事に生きがいが無いのはもったいないと感じ、店長を目指し全力で頑張ろうと決意したら、目の前の霧が晴れました。そこからは店長と2人で店舗改革に取り組んでいます。幸い後輩たちも成長し始めてくれて毎日が楽しいです。(30代 営業スタッフ)

・子供に胸を張って「仕事を頑張っている」と伝えています。子供からは、いつも笑顔で「頑張ってね」を言われます。また、子供も車を売る仕事に関心を持ち始めたようで、色々質問してきます。この瞬間が本当に嬉しいです。(40代 営業スタッフ)

・30年の仕事人生で一番楽しいと感じます。限られた年数で後輩を育成するのは大変ですが、充実感があります。大事なお客様に永遠に笑顔でいてもらいたい、その気持ちで、後輩の育成を頑張ります。(50代 営業スタッフ)

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代表取締役社長 寒川 誉浩 Takahiro Samukawa

1992年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)100拠点を支援。2002年に残価クレジットFC本部支援、2006年には、委託販売のカーリンクチェーンの本部構築、数多くの研修やノウハウ開発、理念経営、CS向上支援を実践。

営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化から、経営理念の浸透支援、経営戦略策定支援まで自動車販売業に対して幅広い支援実績を持っている。

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