残価設定型プランの営業クリニックで浮き彫りになった課題③ ~長く乗るお客様への啓発力を強化する~
- ※営業クリニックとは、
残クレ商談のロープレによる診断と、ワンポイントアドバイスという講義を組み合わせたプログラムです。
長く乗るお客様への啓発力を強化する
前号の「営業クリニック」で、残クレ獲得以前の商談課題、お客様の話を「聴く」ことについて触れました。「聴く力」が改善できたら、次は「早期代替」の訴求です。
弊社の調査では、受注客の残クレ未利用者の代替サイクルは「5年以上乗ってきたお客様」が71%を占めました。残クレは、短いサイクルで乗りかえる人が主なターゲットですが、この結果だと、30%弱しか伸び代が無いことになります。
従って、残クレを伸ばすには、「長く乗るのが当たり前のお客様」に「短く乗る方が得だ」とパラダイム転換してもらう必要があります。
いきなり早期代替を訴えてもお客様は聞く耳を持たない
実際、営業クリニックで「長く乗り続けることより、短いサイクルで乗り換える方が得!」と訴求するスタッフもいましたが、それを見て以下の問題点を感じました。
- お客様が興味を持っていないのに「短いサイクルで乗り換える」ことを話し始める
- 「短いサイクルで乗ることがお得」と伝え、月々の支払が安い「得」しか訴求しない
- お客様から「本当は、長く乗る方が得でしょ!?」と質問されると、全く切り返せない
お客様の「長く乗る方が得」のパラダイムを転換させる力を「啓発力」と呼んでいます。
短いサイクルで乗り換える「真の価値」の伝え方
それでは「短いサイクルで乗り換える価値」を啓発するにはどうしたらよいのでしょうか?重要なのは、お客様の考え方を否定せずに、新たな価値を上手に啓発することです。
- お客様が感じている「長く乗ることがお得という価値や考え方」を受け止める
- 長く乗るには、十分なメンテナンスが必要で経費がかかると理解してもらう
- 短いサイクルで乗り換えると、技術革新による最新装備の車に乗ることができる
- 短いサイクルで乗り換えても、長く乗る場合と比べてわずかな費用負担で済む
- ④が事実なら、短いサイクルで乗り換えてみたいか、意思確認する
実際の商談では、まず、上記①②についてお客様と時間をかけて会話することが大事になります。
真の啓発力は、カーライフの未来を想像し、ワクワクしてもらうこと
啓発力の強化には、「お客様の真のニーズ」を把握すること必要不可欠です。(6号参照)
そして、重要なポイントは「真のニーズ」に合わせて、「技術革新で進化する未来の車」を啓発し、ワクワクしてもらうことです。
例えば、ニーズとして安全性を求めていれば、進化していく安全性や自動運転車のメリットを、経済性であれば格段に改善する燃費性能を、居住性であれば室内空間やシートアレンジの進化を啓発するのです。そうすればお客様に未来のカーライフをワクワクしながら想像してもらうことが可能になります。
その上で、お客様に対し、未来の進化した車に短いサイクルで乗りかえることを「長く乗り続ける経費に、少し上乗せすれば実現する」と納得してもらえれば、残クレ利用につながるのです。
訓練方法は、「車の進化に対する想像力の強化」
この商談技術を高めるポイントは、未来のカーライフを想像すること、すなわち車の進化を想像することです。この3年間の技術革新は目を見張るものがあります。
みなさんが取り扱っている新車の機能について、過去から現在を振り返り、未来を想像してみましょう。
レッツチャレンジ
- 強化車種のそれぞれの機能の進化を、過去から現在まで調べる
- 技術革新によって、今後起こりうる車の進化の可能性を列挙する
- 様々なニーズ別に、②で列挙した車の機能の進化を整理する
- ③について、お客様に伝わりやすいトーク内容を考える
- ロープレ訓練を実施する
今回の無料読者プレゼント
導入企業の声 ★啓発力強化の声
- 残クレで購入された3年目のお客様。再ローンの予定でしたが、改めて早期代替の啓発を行うと、メリットが伝わり好印象で代替受注できました。 ホンダ Aさん
- 車検予定のお客様に話してみたところ、「そんな買い方があったんだ。あと3年で免許を返却するかもしれないから、この買い方はいいね」と代替受注しました。 日産 Bさん
- ナビの修理入庫で車検も近いお客様に、早期代替のメリットと長く乗ると経費がかかる話をすると、「車検費用を次の車の頭金に回す」と言われ、修理ではなく受注になりました。 トヨタ Cさん
- 22歳の中古車検討のお客様にライフスタイルの変化に応じて、車種変更ができ、月々の支払額も抑えられると提案したところ残クレ受注できました。 ホンダ Dさん
- 「車が古くなったから代替しませんか?」や「下取金額で代替えしませんか?」と提案していましたが、啓発メリットを提案したら、代替検討するお客様が増えました。トヨタ Eさん