残価設定型プランの営業クリニックで浮き彫りになった課題①~商品説明以前の人間関係構築で課題が満載~
ディーラー各社、残クレに大きな関心
過去3回に渡って「残クレ」を特集してきましたが、ディーラー各社の「残クレ」への関心の高さに驚きます。
その中で最も多かった依頼は「自社の残クレ営業力を調べてほしい」ということでした。
背景は、「今期は何としても残クレを強化したい」、また、「これまで、残クレを強化してきたが行き詰っている。飛躍するポイントが知りたい」、「自社が伸びない理由が今一つ不鮮明なのではっきりさせたい」と様々ですが、そのために私共から提案したのは「営業スタッフの実際の残クレ商談を知りたい」でした。これが「残クレ営業クリニック」です。
残クレ営業の課題は、多岐に渡る
今春、営業スタッフ100人以上のクリニックを実施しました。その結果、共通の課題があります。
まず、残クレ獲得の直接的な課題は以下のとおりです。
- 残クレが本当に良い買い方だと「心底」理解できていない
- 残クレの上手な進め方が分からない
- 質問されると自信を持って応酬できない
しかし、残クレ獲得の課題以前に一般商談に根本的な課題があります。
- 1)短時間でお客様と良好な関係が築けない
- 2)情報収集ができない(意識が希薄)
- 3)ニーズや関心事が隠されている「鍵となる情報」が出ても、深く掘り下げない
- 4)ニーズや関心事が把握できず、提案内容がずれている
- 5)お客様に合わせて残クレを提案できない
特に2)、3)の課題は、「話す訓練」偏重で「聴く訓練」が為されておらず、一方的に営業スタッフが一方的に話す傾向がありました。
ある社長様は、「常に『あれも、これも提案しているか、話し方はこうだ!』と叱咤激励しすぎているのかもしれない」と猛省されていました。
是非、一度、営業スタッフの「接触~受注」までの一連の流れを「観察する」ことをお勧めします。1人1人の営業課題が見つかると思います。
真因は、「勉強、練習、準備などの努力不足」
営業スタッフが成長しない真因は「主体性」が無いことです。営業や残クレに対して、全くと言っていいほど、「学習、練習、準備」等、成長する努力をしていません。これでは、会社や上司、店長の皆さんが「残クレ」に関する勉強会、講義、レクチャー、ツール作り等を推進しても、成長意欲、向上心の無いスタッフは習熟しません。ここにメスを入れることが大事です。
レッツチャレンジ
営業スタッフの「接触~受注」までの一連の流れを観察してみましょう。
- 最初の15分程度でお客様と良好な関係が築けているか
- きちんと情報収集できているか
- 情報収集するタイミングが遅すぎないか
- ニーズに直結するサインを見落としていないか
- ニーズを深く掘り下げているか
- ニーズに合わせて車を提案できているか
- ニーズに合わせて残クレを提案できているか