伸び悩む中堅スタッフの課題②~生きがいと仕事を連動させる~
中堅スタッフが伸び悩む「心の課題」
前号コラムで、中堅スタッフの伸び悩む理由は、「共感力」に乏しいことと指摘しました。今号では、「技の課題」では無く「心の課題」に触れていきます。
ある程度「技」を磨いてきた中堅スタッフが、更に成長するためには「なぜ、何のために仕事をするのか」という心構えを磨くことが必要です。
弊社では、スタッフ1人に1時間かけて「内観」を行います。仕事とは、生きがいとは、幸せな人生とは何か?と「自分の内(うち)を観(み)て」深く考えていきます。
伸び悩むスタッフの「生きがい」を知る
まず、過去から現在で「生きがいを感じた瞬間」を掘り下げます。学生時代にスポーツで頑張った時、初めて店長に褒められた時、受注時にお客様に「ありがとう。あなたのお陰で楽しい買い物ができた」と言われた時、などスタッフによって様々なことが出てきます。
それでも、伸び悩むスタッフは「今現在、仕事に生きがいを感じていない」のです。それはなぜでしょうか。
「心の課題」は「生きがい感ある目標の欠如」
「なぜ今、仕事に生きがいが無いのか」を掘り下げると、以下のような理由が出てきます。その内容は、個人ごとに全く違います。
- ①20代と比べ、仕事に情熱が持てなくなった。我武者羅に頑張らなくなった。
- ②後輩に昇進や昇格で抜かされ、諦めた。それ以来、諦め癖がついた。
- ③尊敬していた上司・先輩が異動し、やる気のない同僚に影響され、嫌気がさした。
- ④評価や昇給に不満があり、どうせ評価されないなら、頑張りたくないと思った。
- ⑤家族や子供と過ごす楽しさが勝り、仕事を早々に切り上げ早帰りしている。
- ⑥会社や上司の期待が分からなくなり、仕事を頑張る必要性を感じなくなった。
いずれも経営陣から見れば、「他責」や「妥協」で言い訳しているにすぎませんが、このようなスタッフに対し、「指摘」や「叱責」では、意識を改善できません。この根本原因である、見失った「生きがい感ある目標」を再設定する必要があるのです。
中堅スタッフの活性化は、生きがい感ある目標
40代スタッフの例です。1時間ほどの内観の様子を簡潔に整理しました。
このスタッフは、30代後半まで周囲が絶賛する働きぶりでしたが、ある出来事が起こり一転します。以下、そのスタッフとのやり取りです。
「お客様の『ありがとう』の言葉を糧に、そして憧れの先輩を目指し、仕事を頑張っていました。しかし、同僚に昇進で抜かされた瞬間、心が折れました。その日から怠けるようになり、そして仕事でなく、家族や子供の笑顔に癒されるようになりました。だから、今、家族や子供の笑顔が生きがいです。」
そこで、「挫折を言い訳に仕事を諦める父親に、家族、子供は尊敬しますか?このままでは、家族や子供の笑顔は増えないと思いますが、いかがですか?」と投げかけました。
スタッフは、5分ほど考え「もう一度、リーダーを目指して頑張りたい」と決意し、全力で行動するように革新しました。その後半年で、技術的な課題を次々と克服し、今やトップセールスです。
伸び悩む中堅スタッフは「技の課題」以上に「心の課題」が大きいと感じます。ぜひ、内観でスタッフの悩みを解決してはいかがでしょうか。
レッツチャレンジ
- スタッフと「仕事とは、生きがいとは、幸せな人生とは」を掘り下げましょう。
- スタッフの「生きがい」とは何か掘り下げましょう。
- 「仕事に生きがいを感じる瞬間」を掘り下げましょう。
- その実現に向けた課題を一緒に考えて、設定しましょう。
今回の無料読者プレゼント
導入企業の声
・伸び悩んでいた中堅スタッフが見違えるように変わりました。朝一番に出社し、後輩を指導してくれるようになりました。そして業績でも店舗を牽引してくれています。店長候補がたくさん輩出できたと感じます。将来彼らがこの会社を背負ってくれると期待しています。(A社 社長)
・20代のころの情熱を取り戻しました。毎日真剣勝負で活動しています。店長と2人で店舗改革に取り組んでいます。後輩の指導がこんなに面白いとは思いませんでした。後輩たちも成長し始めてくれて毎日が楽しいです。(30代 営業スタッフ)
・子供に胸を張って「仕事に全力で頑張っている」と伝えています。ここまで5カ月連続で目標も達成できました。子供からは、いつも笑顔で「お父さん、すごいね。」を言われます。この瞬間が本当に嬉しいです。(40代 営業スタッフ)