残価設定型プラン(以下、残クレ)の営業クリニックで浮き彫りになった課題⑥ ~お客様と話す“いいね獲得活動”こそ、業績改善の鍵~
- ※営業クリニックとは、
残クレ商談のロープレによる診断と、ワンポイントアドバイスという講義を組み合わせたプログラムです。
お客様に新しい買い方を啓発する「いいね獲得活動」
5回に渡り「営業クリニック」で浮き彫りになった課題と解決策に触れてきました。
- お客様と上手に関係をつくり、共感しながら情報を掘り下げニーズを捉える
- ニーズに合わせて、車・グレード・オプション提案し、新しい買い方を啓発する
- 新しい買い方を啓発する際、長く乗るお客様が魅力的に感じるように伝える
- 新しい買い方を啓発する際、現金払いのお客様が魅力的に感じるように伝える
- 商談をフルスペックロープレで観察し、ジョハリの窓の視点でフィードバックする
これらの訓練を積んだ後に、お客様に新しい買い方を啓発する活動を「いいね獲得活動」と呼んでいます。
「いいね獲得活動」はホット、見込みを増やしながら、スタッフの課題が分かる
営業スタッフは、毎日、何件のお客様と接点を持つでしょうか?訪問、電話、入庫来店を含め、少ないスタッフでも1日7—8件、多いスタッフで1日15—20件と接触します。そのお客様全てに、この「新しい買い方」を啓発します。
乗り換えを考えていないお客様でも、「新しい買い方」は「お得な情報」として伝えるので、お客様は「いいね」と喜んでくれます。だから「いいね獲得活動」と呼ぶのです。
トップ営業が新しい買い方を啓発すれば、80%のお客様から「いいね」を獲得します。それは、車検直後のお客様でも、購入後3年、5年経過のお客様でも「いいね」と言って代替を検討してくれるからです。また、「次の乗り換えは、この買い方で検討する」と言われ「次の車検の時だね」と購入予定時期まで決めてくれるので、中長期見込も増やせます。
この「いいね獲得活動」は、残クレだけでなく、新車販売も増やすことができるのです。更に、ホットや見込が増やせて、スタッフの課題も発見できる素晴らしい活動です。
新しい買い方の啓発件数が少なければ、「残クレの価値の理解不足」
この活動で見える課題は、まず、啓発件数が少ないスタッフです。これは、「残クレがお客様にとって本当に良い商品だ」と理解していないので話したくないのです。本当に価値ある商品だと理解できれば、お客様に話したくて仕方がないはずです。残クレを話さないのは、お客様にとって価値が無いと考えているからです。
「これまで10年以上長く乗ってきたお客様」、「現金払いが絶対良いと言い張るお客様」、「距離を長く乗るお客様」「傷を付けやすいお客様」には、この買い方はお勧めできないと思っているからです。是非、真の残クレの価値を一緒に理解していきましょう。
残クレを啓発しても、“いいね”が獲得できないのは、「伝え方、訴求方法に不具合」
次に、数多くのお客様に啓発しているのに、「いいね獲得」が50%未満のスタッフは、啓発トーク、魅力の伝え方に課題があります。どのようなタイプのお客様に「いいね」と言われなかったかを確認し、先に触れた①~⑤の内容をもとに再度、ロープレ訓練が必要です。必ず間違った伝え方をしているはずです。いかがでしょうか?トップの皆様には、「いいね獲得活動」を推奨し、新車販売、残クレ販売を増大し、人材育成を推進していきましょう。
レッツチャレンジ
- 営業スタッフとお客様全数に「新しい買い方」の啓発をすると合意しましょう。
- 個人別に「いいね獲得活動」を管理するフォーマットを作成します。
- 毎日、新しい買い方の啓発を実践し、管理フォーマットを確認しましょう。
- 啓発件数不足、いいね獲得不足に応じて、営業スタッフの課題を解決しましょう。
今回の無料読者プレゼント
導入企業の声
「いいね獲得活動」を推進した結果、毎月安定した見込みを作ることができ、受注促進につながりました。そして、営業スタッフの活動がガラス張りに出来たことが何よりも価値があります。あるスタッフは活動量不足、あるスタッフは活動量が豊富だが、話す内容が良くないなど、課題が鮮明になったことも非常にありがたいです。今、わが社では、この「いいね獲得活動」無しには営業活動はできません。それほど日々の業務に連動しています。
(トヨタディーラー 統括営業本部長)