経営コラムColumn

外国人整備人材の活用
〜技能実習生のリーダー・スカイブルー人材〜今回は、株式会社アセアンカービジネスキャリア代表取締役川崎大輔氏にコラムを寄稿いただき、外国人自動車整備人材の現状と導入事例をご紹介します。

外国人技能実習生を採用した企業の悩み

既に外国人技能実習生を採用したあるディーラー経営者から、その後のフォローについて、次のような相談を受けました。「仕事に対する情熱やハングリーさがある一方、日本語や整備技術の修得に向けた動機づけ、ホームシックにならないような配慮が必要なのですが、入社後のフォローはどうしたらよいでしょうか」
技能実習生のフォロー実施者として、人事担当者、店舗マネージャー、工場長、面倒見の良い先輩整備士などたくさん候補が考えられますが、最適なのは、専門的・技術的分野で在留許可を持って働く外国人のスカイブルー人材です。

将来の管理者候補生のスカイブルー人材

スカイブルー人材とは「単なる熟練ではなく、かなり高度の専門的知識と技術の裏づけをもち、マネジメントもできる新しいタイプの人々」を意味します。技能実習生とは大きく異なり、その特徴は、採用人数や受け入れ期間に制限がないことです。
実際に、ベトナム人スカイブルー人材に日本で働く理由を尋ねると「日本の自動車の商品・サービスは世界で評判が良いです。技術的にも進んだ国ですので、その進んだ技術と知識を身につけて、自分を成長させたいと思って日本で働くことにしました」と日本語で答えてくれました。

スカイブルー人材を採用した企業の声

ある企業では、将来のベトナム人リーダーとしてスカイブルー人材2名を雇用し、技術センターでインストラクターの訓練研修を行っています。
指導に当たったメカニックは、「ベトナム人の皆さんは、日本人より真面目なので、よく働いてくれます。最初は、見て覚えてもらうことが多かったのですが、技術や知識の覚えは早いですね。すぐに何をするかを予測し始めます。」と答えてくれました。
その企業の社長は、「ベトナム人を弊社で受け入れたのは、ベトナム進出の足掛かりです。ベトナムの市場に将来性を感じています。3年後、5年後に一般の人が自動車を持つようになるでしょう。ベトナム人エンジニアに頑張ってもらって、将来的には、彼らがインストラクターとなり、新しいベトナム人を指導できる体制を構築していきたいと考えています。」とお話しいただきました。

いかがでしょうか。外国人人材を採用したい企業様であれば、スカイブルー人材1名に技能実習生3~5名程度のチームを作ることを提唱します。
外国人を活用した会社は、例外なく組織が活性化しチームワークがよくなります。彼らの存在によって、外国人に対して面倒見の良い社風が根づきます。
日本語も必死に勉強し、仕事でも根性がある。異国の地に来て1人で頑張る外国人をみていて、そこで働く日本人の従業員たちも『私たちもしっかりしなければ』と感じます。外国人活用は、そこで働く従業員、そして組織の活性化を生み出していくはずです。

整備人材不足という課題解決には、外国人を安い労働者、単なる人手ではなく、共存共栄できる戦力、有力な人材資源として考える必要があります。お気軽にお問い合わせください。

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株式会社アセアンカービジネスキャリア 代表取締役社長 川崎大輔 Daisuke Kawasaki

1975年生まれ。経済学修士、MBA(経営学修士)、京都大学大学院経済学研究科東アジア経済研究センター外部研究員。香港の会社に就職後、アジア各国に10 年以上駐在し帰国。大手中古車会社にて海外事業部の立ち上げなどに関わる。2015年、アセアンプラスコンサルティングにて日系自動車関連企業のアジア進出をサポート。アセアンの人材ソリューション事業を行うアセアンカービジネスキャリアも立ち上げ、「循環型グローバルビジネスモデル」を提案。

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