中小法人開拓が未来を創る②
~社長の信頼を勝ち取るインタビュー手法~
短時間で数年来の友人になれる「生き様インタビュー」
前号で、中小法人開拓は「宝の山」であることをお伝えしました。今号では、経営者から信頼を勝ち取る「生き様&事業インタビュー」の具体的手法をお伝えします。
「生き様インタビュー」とは、経営者や後継者に対して、創業や後継の理由、前職、生い立ち、苦労話や自慢話、尊敬する人物、将来の夢、最近の関心事などを伺うことです。その目的は、相手の生き様を理解した上で、その価値観を受容することにあります。単なるお客様情報の収集とは違い、過去から未来までの「物語」として相手を理解することが重要なポイントです。
そのために、「聴き上手」に徹し、時折、自分の情報を開示しながら、相手に心から深く共感を示すことで、信頼関係を築くことができます。これには、30~90分ほどかかりますが、経営者の生き様に共感することで、親近感が深まり、まるで数年来の友人のような関係を築くことができます。
特に大切なのは、「それは、つらかったですね」、「嬉しかったでしょうね」、「素晴らしいですね」、「私も同じような経験があります」、「勉強になります」など、相手に感情移入しながら、共感することです。
人脈やお役立ち情報を紹介するための「事業インタビュー」
一方、「事業インタビュー」とは、経営者のお役に立つために、「商品と市場」、「強みと弱み」、「課題や関心事」を伺い、事業ニーズやシーズ(ビジネスの種)を把握することです。「社長のお役に立ちたいので、御社の事業内容を教えてください」と申し出て、商品の特徴や強みを聴くと、多くの経営者は、商品開発の意図や苦労話などを熱心に話してくれます。そして、「当社の商品の魅力を分かってくれて、ありがとう。」と嬉しい気持ちになり、信頼関係が深まります。
そして、この情報をもとに、取引先や仕入先、悩みを解決する専門家など自分の人脈を紹介したり、お役立ち情報を提供すると、喜ばれ、感謝されます。
さらに、相互に役立ちそうな経営者同士をご紹介することで、その輪が大きくなり、人脈ネットワークを築くことで強固な営業構造をつくることができるのです。
インタビュー力を磨き、社長の信頼を勝ち取る
生き様&事業インタビューで重要なのが、「聴き上手」のスキルです。多くの営業スタッフは、お客様とお話する際、沈黙に耐え切れず、一方的な説明をしています。お客様は、人の話を聴かないスタッフにうんざりしています。「傾聴」する姿勢、会話のキャッチボールなどのスキルを磨くことでインタビュー力が高まります。
この「生き様&事業インタビュー」のスキルを磨く研修を実施しました。当初の面談試験では、自分のことばかり話してしまう、尋問のように次々と質問してしまう、共感しないので会話が盛り上がらないなど苦労していましたが、ロープレや実践での経営者へのインタビューを重ねました。すると、数か月後には、見違えるように「聴き上手」のスキルが高まり、生き様を「物語」として聴くことができるようになりました。
そして、お役立ち情報を持っていったり、取引先候補を紹介することで経営者に喜ばれ、社長車の代替や紹介獲得などの成果に加え、受注基盤を強化することができました。
皆様も、経営者との信頼関係を築く、「生き様&事業インタビュー」を営業活動に取り入れてみてはいかがでしょうか?
レッツチャレンジ
① 中小法人開拓プロジェクトを発足しましょう。
② 営業スタッフに経営者に対する「生き様&事業インタビュー」を実践してもらいましょう。
③ 面談内容を持ち寄り、経営者同士の人脈をつなげられないか、お役立ち情報を提供できないか検討しましょう。
④ 人脈紹介、お役立ち情報提供を実践しましょう。
⑤ 活動しての成功例、失敗例を整理し、営業スタッフ間で共有しましょう。
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導入企業の声
事前にホームページで情報を収集し、社長の気持ちを高めるうなずき、「褒める」を実践したら、とても仲良くなり、「いつでも遊びにおいで」と言ってもらえました。相続でお悩みと聴いたので、相続税に強い税理士をご紹介したら非常に感謝してもらい、知り合いの社長を紹介してもらいました。
営業スタッフ
人手不足に悩んでいる社長様に、「中途採用人材のお役立ち情報」を提供したところ、とても喜ばれました。社員が乗りかえを検討していると聞いて「〇〇さんから買ったほうがいいよ」と勧めてもらい受注しました。
営業スタッフ