経営コラムColumn

カーライフインタビューで満期代替力を強化する

再分割や買取で「乗り続ける」お客様が多い

多くの経営者から「残価割賦を利用しても、満期で代替せず再分割や買取で『乗り続ける』お客様が多い」と相談を受けます。残念ながら、残価割賦の満期代替率30%未満のスタッフが多いのが事実です。スタッフの佐藤さんも同様に悩み、意を決してトップセールスの小林さんに相談しました。

年間100台受注するスタッフの実態

年間100台受注するスタッフの多くは、満期代替率80%~90%と高い水準です。
小林さんは(下表参照)は、受注に占める残価割賦率は70%を誇ります。内訳は、購入2年以内の満期前代替が25%、通常の満期代替が25%、残価割賦の初体験が20%です。

【小林さんの受注構成】

(単位:台数)
総受注 残価割賦の満期代替 残価割賦
初体験
現金・その他
購入2年未満 購入2年以降
100 25 25 20 30
25% 25% 20% 30%

小林さんは「残価割賦の満期で『乗り続ける』お客様は10%前後しかいません」と言い切ります。これは、3年前に受講した「満期代替力強化研修」の成果でした。小林さんはその内容を基に、佐藤さんに勉強会を開催しました。

要諦は、お客様を深く理解し、不満顕在化する代替提案

多くのスタッフは代替提案について、次のように誤解しています。

1. 保有する車に「不満」があると代替提案しやすいが、「不満」が無いとしにくい

2. 満期で「乗り続ける」お客様は、高年式車のため「不満」が無い

実際、小林さんも、数年前まで同様に考え、不満の無いお客様には、根拠も無しに「新型車」と「見積」を提案し、あっさりと断られていました。
佐藤さんは、今回の勉強会で、以下のことを学びました。

  1. 発想を転換し「不満」が無くても、傾聴すれば「不満を顕在化」できる
  2. 顕在化した不満を「新装備で解消できる」と提案すれば、購入1-2年でも代替する

保有車と提案車の比較勉強会

お客様の保有車と比べ、提案する現行車は、進化を遂げ、機能が全く違います。そこで保有車と提案車の比較勉強会で「この新装備が無いと、どのような不安・不満につながるか」を検討します。
佐藤さんは、新型車同士を比較したことはありましたが、保有車と提案車を比較したことが無く、驚きました。燃費や馬力の性能向上は勿論、高速道路や入出庫の安全性、室内の快適性が全く違っていることに気づきました。

カーライフインタビュー訓練

そして、知識修得後は、不満を顕在化するカーライフインタビュー力を強化しました。入庫時に「過去の購入理由」、「現在の用途とニーズ」、「未来の用途とニーズ」を傾聴すれば、ニーズ変化を把握できます。さらに、変化したニーズに、保有車が対応していないので、不安・不満を示唆できます。
ロープレ訓練で佐藤さんは、断片的にしか傾聴できず、不安・不満の示唆質問ができませんでしたが、1カ月すると上達し、次のような成功体験を積みました。

あるお客様は、4年前に、お子様のサッカーの送迎にミニバンを購入しました。その後、お子様がサッカーを辞めてしまい、現在は、家族で渓流釣りに行く用途が増えました。また、来年は、他県の温泉に家族で久しぶりに旅行すると伺えたので、お困りごとを想定し、次のように示唆質問しました。
「渓流釣りに行く時に、急斜面の上り坂で、馬力が無く、お困りになりませんか?」
「大切な釣り道具を車から出し入れする際、汚れた地面に置いていませんか?」
「他県の温泉に行く際、高速道路を使うと思いますが、過去、ヒヤリ、ハットしたことがありませんでしたか?」と伺うと、全ての質問に「その通り、よく分かるね」と答え、その時の様子を思い出したように話しました。そして、佐藤さんは、「そのお困りごとは、最新装備なら全て解消できます」と提案しました。その結果、満期で乗り続けると考えていたお客様から、即座に代替受注できました。

佐藤さんの実践での気づき

佐藤さんは「カーライフインタビュー」で、以下のことに気づきました

1)過去、現在、未来とカーライフを傾聴するとニーズが変化している
2)ニーズの変化を深く聴いていくと、保有する車では、満足していないと分かる
3)お客様は不満を忘れているが、示唆質問をすると記憶が戻り、不満を口にする
4)購入1年未満でも、お客様は、保有する車に不満がある
5)その不満を解消できる新機能・装備を紹介すると、大きく関心を示す

佐藤さんは、残価割賦で契約したお客様だけでなく、管理客全員にインタビューしました。特に、低年式車のお客様は、ニーズ変化があっても、新機能を知らないので、不満に感じないことが分かり、このインタビューに物凄い手応えがありました。この結果、昨年受注40台でしたが、この年は満期代替も上乗せでき、80台受注できました。
いかがでしょうか。このようにカーライフインタビューで、ニーズ変化、不満顕在化、新機能による不満解消することで、金額提示に依存しない代替提案力を修得しませんか。

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代表取締役社長 寒川 誉浩 Takahiro Samukawa

1992年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)100拠点を支援。2002年に残価クレジットFC本部支援、2006年には、委託販売のカーリンクチェーンの本部構築、数多くの研修やノウハウ開発、理念経営、CS向上支援を実践。

営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化から、経営理念の浸透支援、経営戦略策定支援まで自動車販売業に対して幅広い支援実績を持っている。
2019年1月株式会社アビリティブルームコンサルティング代表取締役就任。

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