名言に学ぶLearning from quotes

権限に焦点を合わせてはならない。貢献に焦点を合わせることこそ、成果を上げる鍵である。P.F.ドラッカー

『貢献に焦点を合わせることこそ、成果を上げる鍵である。仕事の内容、水準、影響力において、あるいは、上司、同僚、部下との関係において、さらには会議や報告など日常の業務において、成果を上げる鍵である』

マネジメントの父といわれるドラッカーが、50年も前に述べている言葉です。今でこそフラットな組織化が進み、権限を振りかざして指示命令ばかりするマネジメントや、地位やポストばかりを気にする風土は減りましたが、まだまだ貢献に焦点を合わせたマネジメントができている組織は少ないと感じます。

貢献に焦点を合わせたマネジメントは、社員が仕事の意義をよく理解し、組織に愛着を持ち、そのビジョンのために自発的に貢献しようとする状態を作り出していきます。グーグルやアップルなどはこのような社員の貢献意欲に焦点を当て、いわゆるエンゲージメント(社員と組織との関わり合い)の高さを重点指標にして成長してきました。残念ながら、日本の企業はこのエンゲージメントの高さで世界139ケ国中132位、最下位クラスという調査結果が出ているのです。(米ギャラップ社調査2017年5月発表)

ではどのように取り組めばよいのでしょうか。ドラッカーの教えに沿って進めていけば、店長が販売台数や粗利といった業績だけで評価するのではなく、お客様との関係性や、スタッフ同士の関係性を高めていくことをビジョンとして掲げます。そして、ビジョンの実現に向けて、一人ひとりがどのように貢献できるかを話し合い、期待を明確に伝えていくのです。そうすることでスタッフも店舗を良くするために何が貢献できるかを考え、主体的に活動し、様々な提案が出てくるようになります。また、貢献に焦点を合わせることによって、スタッフが自分の周りのことだけでなく、組織全体の成果に注意を向けるようにもなってくるのです。

市場縮小時代に勝ち残る、貢献意欲の高いスタッフの集団作りに取り組みましょう。

引用:P.F.ドラッカー著「プロフェッショナルの条件」ダイヤモンド社 2000年

シニアコンサルタント 新谷 健夫 Takeo Shintani

1961年京都市生まれ。1985年同志社大学卒業後、大手経営コンサルタント会社に入社。

中小企業の戦略策定、販売力強化、管理者の意識革新、人事評価制度などに取り組み、1996年からは大企業の研究開発部門における生産性向上活動に数多く携わり実績を上げる。

2000年からグループ会社を立ち上げ、新規事業開発、FC本部構築を推進するとともに、直営店舗も多く運営し、人材育成を実践する。

小集団活動など、現場に入り込んでの組織開発を中心に、豊富なコンサルティング経験を保有するとともに、実務経験を活かした実践的な指導に定評がある。

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