名言に学ぶLearning from quotes

リーダーにとって最も大切なのは、自分一人の創造力ではない。率いるチームのメンバーが持つ創造力を最大限に発揮させるチーム創造力を育てること 星野佳路

「星のや」「界」など海外も含め50以上のリゾート施設を次々と運営し、今も進化を続ける星野リゾート。星野氏は、個性豊かなサービスを生み出し、顧客満足と利益を両立させるリーダーに求められるのは、チーム創造力を育てることであると言っています。

 「ミーティングを開いても、発言するのはリーダーばかりで他のメンバーは黙ってしまっている」というのはよく見る光景です。お客様に喜んでいただくために頑張っているスタッフは数多くいますが、個人の創造力で終わり、「チームで協力し合ってより良いサービスを生み出していこう」という主体的な意識は引き出せていません。これはリーダーとメンバーの間に壁があり、言いたいことが言える職場の雰囲気になっていないことが原因です。

星野リゾートでは、チーム創造力を高める第一歩として、「フラットな組織文化」を浸透させています。これは、ピラミッド階層が少ないのではなく、人間関係のフラットさをいい、「いつでも、誰にでも、どんなことでも遠慮なく意見を言い合える文化」を指します。

そのために、情報量格差をなくすように情報を公開し、誰もが情報を得やすく、話しやすい環境をつくる。役職ではなく、「さん」付けで呼び、大きい机などの「偉い人信号」をなくす。そして、チームワークを重んじ、現場の社員に裁量権を与えることが重要だと星野はいいます。

お客様に喜ばれるにはどうすれば良いのか?自分のアイデアを気軽に出し、課題をどうしたら解決できるかという創造的な話し合いがあちこちで起こる、そんな雰囲気を作ることがリーダーの役割です。

また、チーム創造力を高めるためには、できる限り情報を公開することが重要だと星野氏は続けます。年齢や役職に関係なく議論に参加できるようにすることで組織が年功序列から実力主義に代わるといいます。「リゾート運営の達人になる」というビジョンを掲げ、顧客満足と利益の両立を追求した星野氏に学び、チーム創造力を育てることを実践しましょう。

引用:星野佳路著 「賢人のビジネスリーダー力」 幻冬舎 2012年

シニアコンサルタント 新谷 健夫 Takeo Shintani

1961年京都市生まれ。1985年同志社大学卒業後、大手経営コンサルタント会社に入社。

中小企業の戦略策定、販売力強化、管理者の意識革新、人事評価制度などに取り組み、1996年からは大企業の研究開発部門における生産性向上活動に数多く携わり実績を上げる。

2000年からグループ会社を立ち上げ、新規事業開発、FC本部構築を推進するとともに、直営店舗も多く運営し、人材育成を実践する。

小集団活動など、現場に入り込んでの組織開発を中心に、豊富なコンサルティング経験を保有するとともに、実務経験を活かした実践的な指導に定評がある。

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