経営や人生は、元々、成功するようになっておる。自分のことだけでなく、他の人のことも考えて、なすべきことをなす。松下 幸之助
引用した著者の江口克彦氏は、松下幸之助氏に23年間師事し、24時間寝食を共にした経験をもとに、松下幸之助氏の考え、名言、成功哲学をまとめました。その書籍にある名言です。
最近、「自社の成長発展には、マネージャーの成長が必須」とマネジメント訓練の要望が急増しています。特に店長は、関与すべきスタッフが、総数15~30人と多く、職種も営業職、サービス職、事務職と多岐に渡りますが、店長の人間力課題が山積し、部下と信頼関係が築けていません。それは、優秀者を店長に昇格させたものの、人間力課題を克服していないからです。
例えば、ある企業で店長に対し、360度評価アンケートで内観すると、
- 自己中心的な言動が多い
- 感情的で高圧的に振る舞う
- 問題から逃避・丸投げする
- 規律を無視する部下を注意しない
- トラブルを解決せず頻発する
- 業績最優先で、他は優先順位が低い
と課題が見え、これでは店舗目標に向かって一致団結するなど、あり得ないことです。そこで、革新に向け、松下幸之助氏の「成功の法則」を学び、深く掘り下げるのです。
「経営や人生は、元々、成功するようになっておる」
「自分のことだけでなく、他の人のことも考えて、なすべきことをなす」
店長にとって「他の人」とは、「会社」、「お客様」、「従業員」と捉え、「なすべきこととは何か」を熟考します。その結果、次のようなテーマが設定されます。
<成功の法則と店舗マネジメント>
- 顧客満足度向上
- 業績目標達成
- 従業員満足度向上(時短・働きやすさ)
これら3つの課題を同時並行で推進する行動革新プランを設計します。
<行動革新プラン>
- 毎日、業績確保に向けて、営業案件、入庫案件の進捗を部下とレビューする
- 毎週、販サ会議で、全員で店舗の課題を指摘し合い、解決策を練る
- サービスの残業削減に、「1日3回作戦会議、相互協業で残業撲滅」を遂行する
- 毎月、部下全員と個別面談し、実現テーマや課題、困りごとを捉え、解決する
- 自身の人間力課題を克服する(怒り管理、笑顔と感謝の発信、規律徹底、率先垂範)
その後、店長から毎週報告をもらい、私たちコンサルタントが助言し、革新や改善を推進します。その結果、3カ月後には、役員から「店舗の雰囲気が劇的に変化し、談笑が増え、きびきびした動きが溢れている」、「クレームやトラブルも一気に解消した。退職者が続出して雰囲気の暗かった店舗が、皆が仕事を楽しんでおり、見違えるようになった」と嬉しい報告があります。
マネージャー教育を通じ、「他の人のことも考えて、なすべきことをなすことで、誰でも成功する」ということを実感します。