「なぜ」を5回繰り返すことができるか大野 耐一
大野耐一氏は、トヨタ生産方式を体系化したことで有名な人物で、当時世界一の精密機械と称された豊田紡織から、トヨタ自動車に異動し、自動車工場の機械に「精密さ」を持ち込んだ偉人です。
そして、その著書では、「なぜ」「なぜ」を5回繰り返す重要性について、以下のように述べています。
例えば、機械が動かなかったと仮定しよう。
- 「なぜ機械が止まったか」 「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」
- 「なぜオーバーロードがかかったのか」 「軸受部の潤滑が十分でないからだ」
- 「なぜ十分に潤滑しないのか」 「潤滑ポンプが十分くみ上げていないからだ」
- 「なぜ十分くみ上げないのか」 「ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ」
- 「なぜ摩耗したのか」 「ストレーナー(濾過器)がついていないので、切粉(きりこ)が入ったからだ」
以上、5回の「なぜ」を繰り返すことによってストレーナーを取り付けるという対策を発見できたのである。「なぜ」の追求の仕方が足りないとヒューズの取替えやポンプの軸の取替えの段階に終わってしまう。そうすると数ヶ月後に同じトラブルが再発することになる。
以上、5回の「なぜ」を繰り返すことによってストレーナーを取り付けるという対策を発見できたのである。「なぜ」の追求の仕方が足りないとヒューズの取替えやポンプの軸の取替えの段階に終わってしまう。そうすると数ヶ月後に同じトラブルが再発することになる。
この4年間で300人弱のリーダーに心と技を磨く研修をしています。CS改善、入庫台数増大、管理客代替促進、保険・メンテパック・付帯商品の獲得など、店舗や組織の改革・改善プランを設計する際、「真因」に辿り着けないリーダーが非常に多く存在します。同じ課題が数ヶ月連続で解決できず再発を繰り返すリーダー達が、研修中の演習であるプラン設計の際、頭を抱えて困惑する姿を見かけます。
大野耐一氏は、著書の巻末付録にある主要用語辞典で、以下のように記載されています。
「原因」の向こう側に「真因」がかくれている。いつの場合も「なぜ」、「なぜ」と原因を掘り下げ、真因をつかんで対策をしないと有効なアクションに移ることができない。
対策を打つ際、「なぜ」を5回繰り返し、「真因は何か」を追求する姿勢や思考を持ちたいです。是非、皆様には「この名言」に学び、リーダー教育に活用いただきたいと思います。