やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かず。山本五十六
「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かず。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
山本五十六のこの名言は、人を「動かす」、「育てる」、「実らせる」は、それぞれ違うことを教えてくれます。
私も27歳でマネージャーになった頃は、「動かす」の「ほめる」のが苦手で意識的に実践するようにしていました。30歳の頃、部下から「話を最後まで聞いてくれない」との指摘を受けて、「育てる」の「耳を傾ける」ことの不足も自覚し、改めるようになりました。また、「実らせる」の「やっている姿を感謝で見守って」は、44歳で車買取店の社長になり、数多くの困難を社員一丸となって乗り越えるまで、その境地に至っていなかったと思います。
人を「動かし、育て、実らせる」ことが心もとないマネージャーは多いと思います。
部下に仕事を任せられないのは、自分の存在価値を脅かされないように、人を育てたくないという深層心理があるのかもしれません。その場合は、人を育てることに喜びを感じる発想の転換が必要です。
ネガティブで皮肉なものの見方が染みついていると、「やっている姿を 感謝で見守って、信頼する」のが難しくなります。ポジティブに長所を見つけてほめてやるには、人格磨きが必要です。
課題毎に、どのような発想の転換や人格の養成が必要か熟考することが重要です。
この名言を10項目に分解したチェックリスト(私が自身のために昔、作成したもの)を掲載します。人材不足に加え、全車種併売化やAI活用が進み、一層重要になる人材育成力の見直しをお勧めいたします。
<人を動かす、育てる、実らせるチェックリスト>
- やって見せていない。(率先垂範しているか?)
- 言ってはいるが、聞かせてない。(意義を与えているか?)
- やらせてはいるが、見ていない。(観察しているか?)
- 見ていても、ほめていない。(良い行動を称賛しているか?)
- 本音で話し合っていない。(遠慮なく指摘や助言しているか?)
- 話に耳を傾けていない。(我執を排し、相手の考えを受容しているか?)
- 承認していない。(部下の自己肯定感を高めているか?)
- 任せていない。(部下の主体性を高めているか?)
- 感謝していない。(謙虚になれているか?)
- 信頼していない。(規律ある信念の人を育てられているか?)