正しい道から外れた手段をとって富を得るくらいなら、むしろ貧乏なままでいろ渋沢栄一
元号が、平成から令和に変わり、紙幣も2024年に刷新されることが発表されました。新1万円札は、「日本の資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一氏です。
その彼の代表作が「論語と算盤」です。この書籍は、1916年(大正5年)、76歳の時、彼の講演録をまとめ発刊されたものです。論語を紐解き、孔子の考えを咀嚼し、「富」を推奨しつつ、資本主義や実業の負の側面、「富への暴走」に歯止めをかけようと社会に対し啓発したものです。名言は「論語と算盤」の「仁義と富貴」の章の一節です。
「正当な道を踏んで得られるカネなら、みじめな下働きになってもいいからカネを儲けろ。正しい道から外れた手段をとって富を得るくらいなら、むしろ貧乏なままでいろ。」[1]
また、「算盤と権利」の章に「競争の善意と悪意」を説いています。
「毎朝人より早く起きて、良い工夫をして知恵と勉強で他人に打ち克っていくというのは、まさしく良い競争なのだ。一方で、他人のやったことが、評判が良いから、これを真似してかすめ取ってやろうと考え、横合いから成果を奪い取ろうとするのは悪い競争に外ならない。」[2]
令和時代は確実に市場が縮小します。手段を選ばず儲かれば何をしても良い、楽をして儲けたい、という風潮にあります。
私たちは、渋沢栄一氏の精神を受け継ぎ、「論語」と「算盤」の両方を兼ね備え、「善意の競争のもと、お客様の真の要望をとらえ、創意工夫により生み出した商品・サービスを提供し喜んでもらう。その結果、大いに儲ける」ことを目指したいものです。
皆さんも、正当な道を踏んで、正々堂々と「富」を得ていきましょう。