今できないものを、何としても成し遂げようとすることからでしか、画期的な成果は生まれない。『自分の能力を未来進行形でとらえる』ことが、新しいことを成し遂げようとする人に要求されるのだ 稲盛 和夫
これは稲盛氏が平成の最初の年に盛和塾で語った名言です。稲盛氏は世界企業として京セラを発展させた後も、第二電電の設立や、日本航空の再建など、誰もが不可能と思われた事業にチャレンジし、成果を上げてこられました。その画期的な成果はいつも、『今できていないことも将来には必ずできる』と信じ、『なんとしても成し遂げよう』と組織を鼓舞した強いリーダーシップから生まれてきたのですね。
そしてそこには、人間の能力は無限であり、未来永劫ずっと進歩していけるものだという、人に対する強い信念と愛情がありました。それが『自分の能力を未来進行形でとらえ』前に進んでいこうとするポジティブな活動指針となって現れています。
振り返って我々の足下を見ると、新しいことへチャレンジする際にはついつい制約条件ばかりを並べ、「そんなことは無理」と考えがちです。リーダーも、組織を動機づけできずに悩んでいることが多いようです。そんな時、自分達の能力の可能性を信じ、今できていなくても、半年後、一年後にはこんな力をつけているんだ、という未来への具体的な目標を持つことを活動指針としてみてはいかがでしょうか。
令和の時代となり、カーディーラー経営もいよいよ市場が縮小していく淘汰の時代に突入していきます。この言葉から勇気をもらい、自分や、自分の会社の能力をいつも「未来進行形」で発展的にとらえ努力している、そんな活力ある組織作りをしていきましょう。
引用:稲盛和夫著「誰にも負けない努力 仕事を伸ばすリーダーシップ」 株式会社PHP研究所 2019年