人を動かすことはできない、動きたくなる空気をつくる。梅田 悟司
梅田氏は、電通のコピーライターとして、商品やサービスの知名度を高め、購入してもらうための広告を長らく制作してきました。大切なことは人を動かす言葉ではなく、人が動きたいと思わせる言葉だと言います。これは、組織を動かすには、とても重要なことだと感じます。
先日も新任のマネジャーとお話しした際に、「部下を動かすのは、本当に難しいですね」と苦労している様子でした。
ではどうすれば 人は動きたいと思ってくれるのか。自身がやらせたいことを指示するのではなく、心をワクワクさせたり、ときめかせなければ人は動いてくれません。梅田氏は単に「伝える」ことと、「動きたくなる」の間にあるものは、「志」を共有しているかどうかだと言います。内容を伝えるだけでは「志」を共有したことにならない、相手が自分と同じ気持ちになって、はじめて共有は成立する。そのためには「何をするか?」「なぜするのか?」といった基本的な内容だけを伝えるのではなく「なぜ本気でそう思うのか?」「その結果、どうしたいか?」「なぜあなたとそれをしたいのか?」といった相手の価値観にまで踏み込んで伝えていくことで、初めてできることだと教えてくれています。その結果、本音で共感し、動きたくなる空気が生まれます。
スタッフの意識はバラバラで、お客様からのクレームも頻繁に起こっている店舗がありました。この店舗に新しく着任した店長は、スタッフに「店舗をこのようにしたい」とビジョンを熱く語り、一人ひとりにどうなって欲しいのか期待をかけ、お互いの想いを共有するコミュニケーションを頻繁にとるようにしました。そうすると、自分の役割を理解して主体的に活動するスタッフが増え、協力し合って目標に向かうようになり、店舗の業績も大きく改善していったのです。
このような例から、リーダーのコミュニケーションの取り方で、大きく組織は変わっていくことを学んでいきたいと思います。