よい将軍であるためには、数学を知らねばならない。ナポレオン
ナポレオンは18世紀から19世紀にかけて、その軍事的才能でフランス革命の混乱を終息させました。更にヨーロッパ各地に転戦し、連戦連勝で短期間に領地を拡大。まさに戦争の天才として、世に名を残しました。
大きな軍隊を動かすためには、その士気をあげる必要があり、ナポレオンも部下を鼓舞することに長けた人物でした。しかし、それだけでは戦いに勝てるわけではありません。
ナポレオンの戦いは実に大胆でスピーディーでした。大きな組織を短期間で動かし戦果をあげ続けました。そして、それを実現するために、極めて緻密な計算をして戦いに備えていたようです。そんな戦いぶりを裏づけるように「よい将軍であるためには、数学を知らねばならない」という言葉を残しています。
一対一の単純な戦いに勝つためであれば、その時の勢いや気持ち、いわゆる「気合と根性」といった要素も重要になりますが、大きな勝負に勝つ、あるいはチームで目標を達成するためには、それ以上に戦略や戦術が重要になります。そして勝つための戦略や戦術を練るためには、知識や論理が必要です。ナポレオンの「数学を知らねばならない」という言葉は、このことを示唆しているように思います。
例えば、自動車保険の新規契約目標を達成したいと考えた時、新規受注に対してどの程度の添付率が必要なのか?その為に、新規受注の商談の中でどのタイミングでどんな内容の説明をすれば良いのか?どういうツールと使って、どういうトークで訴求するのか?営業スタッフにそれをやらせるためには、どういうタイミングでどのような指導をすべきなのか?こういうことを、組み立てて、計画的に実行する必要があります。
目標を達成できない店舗のマネージャーは、こういうことが苦手です。目標数値を部下に割り当てて、あとは部下任せというパターンになってしまっています。気合と根性で頑張れと鼓舞するばかりです。これでは、業績目標を達せいできるわけがありません。
しかし、常に目標を達成している店舗のマネージャーは、先を見通して早めに準備し、緻密な計画を立てた上で、部下を指揮しています。目標数値を達成する為には、その前の段階で何をどれぐらいやれば良いのか。そういう計算をきちんとしています。
数学を知るマネージャーを如何に育てるか。これも企業経営においては、重要な課題ではないでしょうか。