名言に学ぶLearning from quotes

大勢の人に寄ってきてもらうためにはどうするか。約束したら守る。実行することだ。人の嫌がることを進んでやる。他人のために汗を流すことだ。田中 角栄

歴代の総理大臣の中で、記憶に残る人物と言えば、今太閤という異名を持つ田中角栄ではないでしょうか。貧しい家庭に育った田中は、小学校卒業後から働き始め、その後も多くの苦労をして政界進出を果たしました。政治家になってからも様々な困難を乗り越えて、1972年に総理大臣に就任。数々の実績を残しましたが、金脈問題により退任、その後、ロッキード事件で実刑判決を受けることになります。後半生では悪評を重ねましたが、その人物像を評価する人は、今でも多いようです。

田中角栄を、多くの人が評価する理由の一つが、その「人を動かす力」、すなわち人心掌握力の強さにあるようです。それを象徴するような名言を沢山残しており、表題の言葉もその一つです。
「大勢の人に寄ってきてもらうためには」という部分を「大勢のお客様に喜んでもらうためには」とか「大勢の部下に慕われるためには」と書き換えても、意味は通じそうです。
「約束したら守る」。当たり前のことのようですが、さて、自分が大勢の人と関わる中でこれができているでしょうか。ついつい「口約束を忘れてしまっていた」「時間に少し遅れてしまった」ということもあるでしょう。そして、それは自分が感じる以上に相手が覚えています。あまり約束を守らない人だ思われてしまえば、その時点で基本的な信頼関係を失ってしまいます。
「人の嫌がることを進んでやる」ということも大事です。自分には何の得もない。メリットもない。でも誰かがやらなければならない。そういう状況は、仕事上でもプライベートでも頻繁に起こります。そんな時、積極的にできるかどうかは、なかなか難しいことですが、得てして、そういうことをやっていると人望が集まり、周囲の人に対するリーダーシップが強まります。
「他人のために汗を流す」というのは、更に一歩進んで、人を助ける、世話を焼くということです。今の時代、他人が困っていても我関せずという人が多くなってきています。そんな時代だからこそ「他人のために汗を流す」ことのできる人は貴重な存在です。助けられたと感じた人は、その人を信頼し、尊敬し、その人のために何かしたいと考えるはずです。
このような姿勢は、どんな仕事をする上においても、必要なのではないでしょうか。

引用:昭和人物研究会著「田中角栄 魂の言葉88」 三笠書房 2016年

シニアコンサルタント 瀬野 幸洋 Yukihiro Seno

1986年に大手経営コンサルタント会社入社後、95年から新車ディーラー(カーディーラー)1180拠点以上を支援。営業スタッフの商談力強化、店長のマネジメント力強化等のテーマに取り組む。

管理者を対象にした内観研修(M-SIP)を長年に亘って担当し、自動車販売店の店長や工場長の自己革新事例には事欠かない。

管理者やリーダー社員の仕事に取り組む姿勢を変革し、その成長に寄与することをライフワークとしている。

自動車業界の後継者育成にも数多く関与し、日刊自動車新聞社発行の「クルマ屋を継いで良かった!」の著者でもある。

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