人間の才能なんて、どこに隠されているか分からない。相手の話を聴いてみる。それが第一歩。そこから組織の活性化が始まる野村 克也
ヤクルト、阪神、楽天と監督を歴任し、就任前は低迷していたチームを勝てるチームへと変革する手腕を発揮した野村監督の言葉です。その組織運営術の真骨頂は、「野村再生工場」といわれるように、伸び悩む選手や他球団で戦力外となった選手を、コンバートや起用法を変えて活躍の場を与え、チームの潜在能力を最大限に引き出すリーダーシップにありました。
「人間の才能なんて、どこに隠されているか分からない。相手の話を聴いてみる」という言葉からは、相手を良く理解しようとする、人に対する愛情や関心の深さを感じますし、部下をよく観察し洞察することの重要性を教えてくれます。また、「それが第一歩。そこから組織の活性化が始まる」という言葉からは、観察し洞察した事をもとに、どのように生かせば能力を発揮するかを考え抜き、活躍の場を与えることで、今度は選手自らが気づきを得て考え、チームが活性化していくことを教えてくれます。
管理者は持論をかざして指示することが多くなりがちですが、まず初めに相手を知ろうとする。スタッフの人生や生き様を知ってこそ、的確なアドバイスやモチベーションアップにつながります。
また、野村監督は厳しい叱責やボヤキが有名ですが、それはさらに上を目指して欲しいという励ましでもありました。一人ひとりの可能性を信じて活躍の場を与えながら、その成長に向けて時には厳しく指導し、励ます姿勢を参考にしてはいかがでしょうか。
引用:野村克也著「野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉」 ぴあ 2008年