アイデアの良い人は世の中にたくさんいるが、良いと思ったアイデアを実行する勇気のある人は少ない。盛田和夫
ソニーの共同創業者であり、日本初のテープレコーダーやトランジスタラジオ、ウォークマンなど、革新的な製品を世に出してきた盛田昭夫氏の言葉です。盛田氏は、ソニーはアイデアがいいのではなく、「新しい、いいと思ったことは実行する勇気」に強みがあると考えていました、
人は自分で考えたことには情熱を持って取り組むものですが、上からの指示命令でやる気を出す人はそう多くはありません。また、考える環境や習慣がなく、指示に従うことが常態化している組織では人材は育ちません。
例えば、お客様に喜ばれるお出迎えをするにはどうするか、点車検の結果をお客様に分かりやすく伝えるにはどうするかなどを問いかけ、意見やアイデアを引き出し、試行錯誤しながら、様々なアイデアを実行していく中で、成功体験が蓄積され、チームの一体感が生まれ、主体的に動く人材が育ってくるのです。
このような組織を作るには、時間がかかりますが、「何のために」という目的を明確化し、粘り強く働きかけ、質問を投げかけることです。当初は、なかなかアイデアは出てこないこともありますが、考えなければ始まらないので、根気強く働きかけます。
そして、出てきたアイデアをつぶさずにできる限り実行し、少しでも成果が出れば称賛し、うまくいかなければ原因を究明しつつ改善を重ねることです。自分が出したアイデアが実現されればうれしいですし、もっと良いアイデアを出そうと意欲的になります。その積み重ねが、お客様に喜ばれる職場改善へとつながるのです。
そのためには、マネジャー自身が良いと思ったアイデアを実行する勇気を持つことがスタートだと思います。