シュート練習というのは、攻撃的な選手にとっては、“歯を磨くように”毎日行わなくてならないことです。ジーコ
シュート練習というのは、攻撃的な選手にとっては、“歯を磨くように”毎日行わなくてならないことです。
サッカーの神様と呼ばれたジーコ(元ブラジル代表、日本代表監督等を経て、現在Jリーグ鹿島アントラーズのテクニカルディレクター)の言葉です。
ジーコは選手時代、ブラジル代表やJリーグを含めて1180試合に出場し、通算826ゴールをあげています。とんでもない記録です。この功績が、神様と言われた所以(ゆえん)でもあるわけですが、一方で冒頭の言葉を鑑みれば、彼は神ではなく人間であって、「歯磨きと同じぐらいコツコツとシュート練習をしていた努力の人」でした。
サッカーは団体競技であり、勝つためにはゴールが絶対条件です。いくら、パスやドリブルが上手くても、シュートが下手な選手は重用されません。そして、最終的にゴールを決めるのは個人のシュート力であり、1人1人の個人の努力(シュート練習)が疎かであれば、決して試合に勝つことはできません。
世の中には、様々な仕事があります。それぞれの仕事に「シュート」のような重要な機能があります。
例えば、営業スタッフであれば「お客様と楽しく会話する」「お客様に合わせて解りやすく商品を説明する」ということになるでしょう。あるいは、管理職であれば「部下のモチベーションをあげる」「仕事の仕方を解りやすく指導する」ということです。これは誰しもが解ると思いますが、さて、その為の練習を、日々、歯磨きの如く取り組んでいるかどうか?残念ながら、できていない人の方が多いのではないでしょうか。
自分の仕事にとってのシュート練習は何か?それを歯磨きのようにやっているだろうか?全ての職業人にとって、自問自答すべきテーマだと思います。
ジーコの薫陶を受けた鹿島アントラーズは、Jリーグ発足時にはお荷物とまで言われていました。そんなチームが、昨年までで国内主要大会、国際大会の優勝回数が20冠となりました。2位のガンバ大阪が9冠、3位の浦和レッズが8冠ですので、如何にジーコの神通力が凄かったかが解ります。
ジーコは鹿島アントラーズの選手に対して、このシュート練習の件のような「プロサッカー選手の基本的な心構え」を徹底的に厳しく指導していたと言われています。基本的なことを徹底して厳しく指導できるリーダーの存在も、強いチームを作るための秘訣なのでしょう。